独立電源『パーソナルエナジー』で思い描く未来

2025.09.29 医療・BCP コラム オフグリッド 管理人

独立電源『パーソナルエナジー』の屋外筐体と青空|日本発、世界のベンチマークへ

独立電源『パーソナルエナジー』で思い描く未来

「停電が日常を壊す」のではなく、「日常が非常を包み込む」。私たちが語る独立電源『パーソナルエナジー』は、暮らしや医療、仕事の“境目”を静かに無くします。電気は自然界に普遍的に存在するエネルギーであり、電気との関わりは自然との関係性そのもの。だからこそ、政治や災害、価格変動に左右されにくい自律した選択肢を、戸建の一軒から、街区、そして病棟へ――段階的に拡張できるかたちで提示します。

ここでいう「独立」は、孤立ではありません。系統の恩恵を否定せず、必要な時には頼りながら、平時は自給し、非常時は止めない。日常運転そのものが非常時の訓練にもなり、非常時の運転が日常の最適化を促す――この双方向の学習を組み込んだ電源思想が、パーソナルエナジーです。なお、可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』は、この思想を局所に展開するためのモジュールとして位置づけます。全体(独立電源)から部分(ポータブル)が生まれ、部分が全体を支える。この循環が、境目のない暮らし/運用を実装します。

ビジョン――“境目のない暮らし/運用”へ

電気=自然との関わり方、その更新

私たちは、電気を「買うもの」から「耕すもの」へ捉え直します。太陽光や風、蓄電、安定化(CVCF)を組み合わせ、需要側のチューニング(負荷の棚卸し・運用時間帯の最適化)を行えば、戸建でも病棟でも、エネルギーは「整え、育て、回す」対象になります。消費の終点ではなく、循環の起点に電気を据えることで、暮らしと自然の接点が更新されます。この循環設計こそが、私たちが掲げるパーソナルエナジーの核です。

政治や災害に左右されない自律性

電力価格や規制、災害は、私たちの生活と事業を容易に撹乱します。独立電源は、価格変動や停電に対して運用で耐える余地をつくります。完全オフグリッドのみをゴールに置くのではなく、段階的な自立を積み上げること。まず重要負荷を守り、次に生活全体へ広げ、街区同士で融通し合う。選択肢を増やすことが、真のレジリエンスになります。

なぜ今、独立電源か(背景)

電力の価値上昇とコスト・リスク

今や電気なしに生きることは現実的ではありません。価値が高まるほど、コスト負担も増え、停電や瞬停の損失は看過できない規模になります。製造・物流の遅延、医療の停止、IT/DXのダウンタイム――「止めない」前提の設計は、贅沢ではなく必須要件です。独立電源は、平時からの自給と品質安定化により、非常時の損失を大幅に抑える費用対効果を発揮します。

日本が世界のベンチマークになる理由

日本は災害多発、人口動態の変化、産業構造の高度化といった難題の“先頭”を走っています。だからこそ、ここで生まれる独立電源の解は、世界の参考になります。戸建・街区・医療の各スケールで、日常と非常を統合する運用設計が磨かれれば、それ自体が国際的なベンチマークになり得ます。

パーソナルエナジーの中核(コンセプトと要素)

「全体」と「部分」を循環させるアーキテクチャ

パーソナルエナジーは、全体系(独立電源)を軸に、部分系(ポータブル)を自在に出し入れする発想です。全体側の発電・蓄電・安定化・制御が骨格となり、可搬モジュールが現場のボトルネックをピンポイントで補助します。これにより、季節・時間帯・イベントに応じて、電源の形を柔軟に“着替える”ことができます。

UPS×CVCFで“医療級の安定”を日常化

オフグリッドのボトルネックは、供給量だけでなく品質(瞬停・電圧/周波数変動)です。CVCFを中心に据えた安定化は、医療機器やサーバ、産業機器など、厳密な電源品質を要する機器の“止めない”を日常化します。質の担保があって初めて、量の最適化(容量設計)が意味を持ちます。

安全・系統連系・法規への配慮

独立電源は、安全と法規を前提に設計されます。系統との切替えや並列運転の要件、逆潮流の抑制、アースや保護協調、非常時の手順――これらを最初から運用設計に織り込み、誰が、いつ、何を操作するかを明確にします。だからこそ、平時の“ふつうの暮らし/運用”の延長で、非常時も迷わず動けます。

“可搬型”は思想の分身――パーソナルエナジー・ポータブル

可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』は、全体設計から生まれた分身です。局所課題(手術室、透析室、コールドチェーン、在宅医療、ITラック、製造の特定工程など)に対して、機動力と即応性で応えます。可搬が先に入るケースでも、最終的には全体と接続・連携することで、段階導入のレバーになります。

スケールの道筋(実証→規模化)

実績:ミニマムな一戸建て単位(段階的オフグリッド)

私たちは既に、戸建単位での段階的オフグリッドを実現しました。重要負荷(冷蔵庫、通信、照明、医療・ケア機器など)から守り、家全体へと拡張するアプローチです。需要側の最適化(断熱、すきま対策、ゾーニング、タイマー運転)を併走させることで、同じ発電・蓄電でも“足りさせる”運用が可能になります。戸建の段階導入は、パーソナルエナジーの入口として最適で、学びを積み重ねながら確実に広げられます。

完全オフグリッドの設計指針

完全オフグリッドは「非現実」ではなく「設計課題」です。①負荷の棚卸しと重要度マップ、②ピーク抑制(運転時間帯の最適化/家電の入替え)、③容量設計(季節変動・連続陰天や災害継続日数の想定)、④冗長化(可搬モジュール/バックアップ動線)、⑤運用ルール(手順化/点検)――これらを組み合わせれば、現実的な到達点になります。

一棟オフグリッド(例:透析病棟)

病棟では、電源品質と継続性の要求水準が高く、CVCFと冗長化は外せません。透析のように“止められない医療”では、工程ごとの必要電力、許容切替時間、復旧手順、負荷の優先順位を明確にし、可搬モジュールによる局所の二重化も併用します。これにより、計画停電や長期停電時でも、診療継続の選択肢を確保します。

オフグリッドタウン(分譲地/街区計画)

分譲地では、街区単位の最適化が可能です。屋根・外構・コミュニティスペースを含む発電面積、共有蓄電の配置、需要の平準化、非常時の相互融通(ハブ化)――設計段階から独立電源を前提にすれば、戸建単体よりも小さな余裕で大きな安心を生み出せます。日常のマイクログリッド運用が、非常時のレジリエンスを底上げします。

費用対効果――“支払い先を変える”という発想

日常の自給×非常時の継続=二重の便益

独立電源の費用対効果は、単純な電気代比較だけでは測れません。平時の自給でランニングを抑え、非常時の操業停止・医療停止・在宅ケア中断などの損失を回避することで、二重の便益が生まれます。さらに、可搬モジュールを併用することで、イベント対応や季節変動への可変費化が進みます。とりわけ、パーソナルエナジーの運用哲学に沿えば、平時の最適化がそのまま非常時の強さに直結します。

導入費と運用費の内訳(段階導入で平準化)

最初から“全部のせ”にせず、重要負荷→家全体→街区の順で段階導入すれば、初期費の山をなだらかにできます。各段で得られる便益(安定・自給・停止損失の低減)を運用で回収しつつ、次段の投資へ繋げる。可搬モジュールの再配置(院内/工場内/地域内)により、資産効率も高まります。

制度/補助の活用余地(個別相談へ)

制度・補助は地域や年度で変わるため、案件ごとに最適な枠組みを選ぶことが重要です。私たちは、要件定義(負荷/品質/冗長/運用)を起点に、最適なスキームの組み立てをご提案します。

導入シナリオ(3タイプのモデル)

既存戸建:今ある家を“段階的”に独立化

断熱・気密・ゾーニングなどの需要側対策と並走しながら、発電・蓄電・安定化を導入。まずは重要負荷盤から始め、生活全体へ拡張。可搬モジュールは、季節や行事に合わせて柔軟に配置し、いざという時は近隣の支援にも回せます。

分譲地/タウン:計画段階から前提化

街区全体の配電・蓄電・避難拠点の設計を先に行い、全戸の屋根・外構を発電面として活用。共用部に安定化と可搬ドックを設け、非常時はハブとして機能。平時はイベント電源やシェアの仕組みで価値を循環させます。

医療施設:重要負荷マップ起点

機器ごとの品質要件(瞬停許容、波形、切替時間)を満たす設計を前提に、CVCFとUPSを中核化。工程ごとに止めない動線を描き、可搬モジュールで二重化。定期的な模擬運転で、スタッフの運用習熟を高めます。

よくある誤解と回答(FAQ)

Q1. 完全オフグリッドは非現実?

A. 非現実なのではなく、設計の解像度が足りないだけです。負荷の優先順位と季節変動を織り込めば、現実的な目標ラインを設定できます。まずは段階導入で無理なく到達しましょう。

Q2. 電気は足りる?

A. 「足りる/足りない」は需要側の設計で大きく変わります。運用時間帯の最適化、機器入替え、ピーク抑制、可搬の一時補完で“足りさせる”ことが可能です。

Q3. メンテは大変?

A. 運用手順の標準化と遠隔見守り、点検の平準化で負担を抑えます。可搬モジュールは更新が容易で、世代交代も段階的に行えます。

Q4. 費用対効果は?

A. 平時の自給と非常時の損失回避という二重の便益があり、段階導入で投資の山をならせます。案件ごとにモデル化し、最短の回収シナリオをご提示します。

株式会社Reがご一緒できること

構想フェーズ伴走(要件定義/負荷設計/段階計画)

理想像と現実条件のギャップを可視化し、到達順序と意思決定ポイントを整理します。最初の一歩を、小さく確実に。

実装・検証(PoC→本実装)

現場条件での検証を重ね、システム・運用・人の動きを束ねます。小さな成功体験を積み、拡張の確信へ繋げます。

運用・保守(見守り/改善ループ)

データに基づき運用を最適化。季節・ライフイベント・設備更新に合わせて、しなやかに設計をアップデートします。

※外部リンクは通常リンクで掲載しています。

製品ページ(内部リンク)

独立電源『パーソナルエナジー』

https://re-energy.co.jp/offgrid/personal/

可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』

https://re-energy.co.jp/offgrid/portable/

参考/出典(外部リンク)

本記事は株式会社Reのビジョン/実務知見に基づく内容です。外部資料の参照が発生する技術詳細・法規要件は、案件ごとに最新資料を確認のうえ別途提示します。

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