通信障害でも決済を止めない——地域密着食品スーパー向け「三層レジリエンス」

2025.11.06 小売・物流 BCP・レジリエンス 管理人

地域密着食品スーパー向け|通信障害でも決済継続用三層レジリエンス(電源×回線×運用)|可搬型UPS「PEP」でPOS・チャージ継続

© Re 2025 執筆:株式会社Re|髙橋
株式会社Re ・ 読了目安:約6分

通信障害でも決済を止めない——地域密着食品スーパー向け「三層レジリエンス」

※本稿は規模の大小ではなく、現場の運用連続性という観点から整理しています。既設の据置型UPSの強みを前提に、末端と通信まで保護範囲を広げる“設計転換”をご提案します。

なぜ止まるのか:電源だけでは守り切れない“通信”

停電はもちろん、基地局や固定回線の障害でも「電子マネー/クレカ決済・電子マネーチャージ・POS送信・価格改定配信・バックヤードの受発注」がまるごと止まることがあります。従来はレジの無停電化(据置型UPS)に注力してきましたが、いま現場で問題になるのはネットワーク断です。したがって、末端(ONU/ルーター/スイッチ/AP)まで含めて守る設計が必要です。

三層レジリエンス:電源×回線×運用

電源:無瞬停0msでPOS/決済/ネットワークを守る

店舗の情報系(POS・決済端末・ONU/ルーター・L2/L3スイッチ・Wi-Fi/AP)をまとめて、可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』で保護します。無瞬停0ms工事不要リチウム不使用(AGMバッテリー)で火災リスクゼロ。必要時間に応じてモジュール増設が可能で、バッテリーは稼働したまま脱着可能なホットスワップ交換で運転継続。
※以降「PEP」と表記します。

回線:キャリア多重化+衛星(Starlink)で経路分散

固定回線(NTT系など)に加え、携帯キャリアA/Bを第2/第3経路として追加し、さらにStarlinkを非常時の衛星バックホールに。SD-WAN/デュアルWANルーターで自動フェイルオーバー・復帰。地上系の局舎/基地局トラブルを衛星でバイパスします。

運用:臨時レジ/チャージ継続キットと月次ミニ訓練

バックヤードに「臨時レジ/チャージ継続キット」(PEP+デュアルWANルーター+Starlink+小型PoEスイッチ)を常備。店長判断で即時展開できる手順書と、月1回・5分のミニ訓練で初動を習慣化。復旧時の戻し方も1枚にまとめます。

[Internet]
 ├─ WAN1: 固定回線(NTT系 等)
 ├─ WAN2: LTE/5G(別キャリア)
 └─ WAN3: Starlink(衛星)
          │
   [SD-WAN/デュアルWANルーター]  ←  PEP(無瞬停0ms)
          │
   [L2/L3スイッチ]──[AP/PoE]──[POS/決済/チャージ端末]
                    ↑
                監視PC(見守りPCにメールで通知)
  

物流センター:WMS・ラベル発行・夜間バッチを止めない

“情報系に集中”の考え方

大電力の搬送設備やフォークリフト充電は対象外にして、WMS端末/PC・ラベルプリンタ・スキャナ充電器・ゲートHUB・PoEスイッチ・Wi-Fi/AP・バックホール回線など止まると致命的な情報系に集中投資します。

モジュール増設とホットスワップ

PEPはモジュール増設(~約50kWh相当)で稼働時間を柔軟に延伸できます。ホットスワップでのバッテリー交換中も運転継続が可能。夜間バッチや締め処理の予定通りを守ります。

監視と通知

回線断・電源異常は見守りPCにメールで通知。復旧判定と切替履歴は簡易ログで可視化します。

標準手順と1枚チェックリスト

  • 障害時の初動(誰が/どこを/何分で)
  • Starlinkの設置位置(見通し確保)と展開手順
  • PEPの運転/復電時の戻し手順
  • 月次ミニ訓練(5分):切替→戻し→ログ記録
  • 連絡網とエスカレーション(本部・ベンダー)

費用対効果の出し方:通信障害でも決済継続の価値

1時間停止の損害額(概算)=
(レジ台数 × ピーク時トランザクション/時 × 平均客単価)+(チャージ停止による将来売上影響の一部)

投資の総コスト(=総保有コスト)と比較し、回収年数・年間効果額(円)・5年総コストで提示します(指標は“円”と“回数”で表記)。

初回ヒアリングでは、レジ台数・平均客単価・ピーク時の会計件数/時の3点だけご準備ください。弊社で損害額シミュレーション(無料)の初版を作成します。

導入ステップ:まずは1店舗+物流拠点でPoC

  1. 現場確認(1日):重要負荷の洗い出し(情報系に限定)。
  2. PoC実演(1日):PEPの無瞬停と回線自動切替(携帯A/B+Starlink)。
  3. 要件確定(1週間):必要時間・電力・設置動線・運用票。
  4. 展開(段階導入):テンプレ化して全店へ横展開。可搬ゆえ横持ちも容易。

よくある質問(抜粋)

Q. 店舗のどこから始めるべき?

A. まずはルーター/スイッチ/APなど“通信まわり一式”とPOS/決済端末をPEPで一括保護し、回線は固定+携帯A/B+Starlinkの順で足します。

Q. バックヤードのスペースが狭い…

A. PEPは工事不要の可搬型。段階導入しつつ、動線が楽な場所へ。配線は後から整えられます。

Q. 電話やFAXも守れる?

A. IP電話やFAXサーバ等も情報系の一部として同じPEP系統で無瞬停化可能です。

私たちの想い

子供たちのために-次の世代に、胸を張って渡せるエネルギーを

地域密着スーパー 攻めのBCP 通信BCP 自律・分散・オフグリッド 無瞬停×長時間

* 導入後5年間における不具合報告・交換・クレームは0件(2020年9月〜2025年10月 自社確認。対象:HPP/HBB)。

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