歯科の停電対策の本丸――「吸引・空気・データ」を無瞬停で守る

2025.11.12 歯科 医療・クリニック 管理人

歯科の停電対策|吸引・受付・データを無瞬停で守る設計|歯科医が治療するイラスト

© Re 2025 執筆:株式会社Re|髙橋
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歯科の停電対策の本丸――「吸引・空気・データ」を無瞬停で守る

なぜ歯科は停電に弱いのか

診療ユニット単体は数百VAでも、“吸引(バキューム)と空気(コンプレッサー)”が止まった瞬間に全台が機能不全になります。心臓は吸引ラインです。ここが落ちると、処置の継続自体が危険になります。

吸引・コンプレッサーが止まると診療停止

停電・瞬断は吸引ポンプとコンプレッサーに直撃します。誘導・モーター負荷は始動電流が大きく、一般的な非常電源では復帰に失敗することがあります。可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』(以下、PEP)は常時インバータかつ無瞬停でブリッジし、モーター始動のサージにも強く設計されています。

代表的負荷の電力レンジ

  • 診療ユニット/カート:およそ 0.4–0.6kVA
  • 吸引(中央):およそ 0.65–0.85kW 連続
  • コンプレッサー:およそ 1.0–1.5kW(断続)
  • レセコン・ネットワーク・受付:200–400W
  • CT/パノラマ等の画像機器:〜2.0kVA(安全停止重視)

滅菌の“中断=やり直し”で失うもの

滅菌プロセスは途中停止でやり直しが原則。圧力降下待ちや記録の取り直しで午後の予約が雪崩を起こします。停電時は動かすのではなく壊さないことが最適解です。

タイムロスと予約崩れ

1回の中断がもたらすのは、作業やり直し+スタッフ再配置+患者案内の三重損失。結果的に売上・評判双方に響きます。

安全停止の運用

滅菌系は停電中は安全待機に徹し、復電後に最短で再開。PEPで受付・吸引・通信だけを死守する方が全体効率は高くなります。

レセコン・会計・通信を止めない

“停電そのもの”よりも口コミを落とすのは受付と会計の停止です。データ破損・請求遅延を避け、連絡手段を維持すれば、来院体験のダメージは最小化できます。

受付回路の最適化

レセコン/サーバ/スイッチ/ONU/ルーター/無線AP/決済端末をひとつの“受付回路”にまとめ、PEPで長時間バックアップ。200–400W帯なら現実的に数時間〜半日級の運用が可能です。

通信の冗長化

停電時の通信途絶を避けるため、携帯回線(テザリング or ルーターのデュアルWAN)を事前設定。患者連絡・決済・クラウド連携を確保します。

設計指針:「診療継続」と「安全停止」を分ける

“全部を守る”発想はコストも複雑性も跳ね上がります。歯科の現実に即して、診療継続(吸引・通信)安全停止(画像・滅菌)を分離しましょう。

パッケージA(チェア1台+吸引+通信の無瞬停)

  • 負荷想定:ユニット0.5kVA+吸引0.65–0.85kW+通信0.2kW=計1.3–1.6kW連続
  • ポイント:吸引は落とさない。コンプレッサーは断続運転/症例に応じて停電中は使用抑制。
  • PEPの強み:無瞬停・CVCFで電圧安定、モーター/誘導負荷に強いため始動サージに強靭。

パッケージB(レセコン/ネットの長時間運転)

  • 負荷想定:200–400W帯
  • ポイント:受付・会計・予約・連絡を継続し、評判ダメージを最小化。
  • 運用:モジュール増設で数時間〜半日級へ拡張。遠隔見守り(見守りPCにメールで通知)で状態把握。

パッケージC(画像・滅菌は安全停止)

  • 方針:給電維持よりも安全シャットダウンを優先。機器・データ保全を担保。
  • 運用:復電後に列再開、手順書で最短リカバリ。

テナント歯科の制約を解決

屋外発電機が使いにくいテナント環境こそ、工事不要・無排気・静音のPEPが活きます。必要回路から小さく始め、モジュール増設で拡張。復電時の過電圧・電圧変動も吸収し、二次事故を防ぎます。

導入ロードマップ

  • ① 現場棚卸:診療動線・負荷・優先度を30分で棚卸
  • ② 優先回路設計:吸引+受付回路を“死守回路”に指定
  • ③ PoC瞬断実測:実機で瞬断・サージ挙動を確認
  • ④ 手順書&訓練:停電時の役割分担と再開プロトコル

よくある質問

※ 質問をタップ/クリックすると開閉します

停電時にまず守るべき負荷は?

吸引(バキューム)と受付回路(レセコン・通信)です。ここを無瞬停で死守し、画像・滅菌は安全停止に分離します。

どのくらいの時間、受付回路を保てますか?

負荷200–400Wで数時間~半日相当(構成により異なります)。モジュール増設で延長可能です。

発電機と比べたメリットは?

可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』は無瞬停で起動ラグがなく、テナントでも騒音・排気の問題がありません。

機器(CT/パノラマ・滅菌器)は動かしますか?

停電中は給電維持よりも安全シャットダウンを優先。機器・データ保全を担保し、復電後に最短で再開します。

参考資料(外部)

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