トイレタリー工場の“止めない電源”——瞬停・停電から生産と供給を守る最適解

2025.09.24 非常電源・UPS 製造業(食品・トイレタリー) 停電対策・BCP 管理人

トイレタリー工場の停電対策(UPS×CVCF)

トイレタリー工場の“止めない電源”——瞬停・停電から生産と供給を守る最適解

シャンプー・リンス、ボディソープ、洗濯用洗剤、柔軟剤、歯磨き粉、ティッシュ・トイレットペーパーなど、トイレタリーは生活必需の定番カテゴリです。需要が毎日発生するため工場の稼働は基本365日×長時間連続。その一方で、充填・打栓・ラベリング・検査・箱詰め・出荷管理まで多数の装置が連携するため、わずか数百ミリ秒の瞬低・瞬停でもラインは停止し、再立上げ・帳票復元・検査のやり直し・原材料や包材の廃棄といった損失が連鎖します。欠品はチャネル評価や棚取りにも直結。
本記事では、トイレタリー業界に特化して、当社の可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』を中心に据えた「止めない電源アーキテクチャ」で何が変わるのか、費用対効果まで含む実践フレームを、1)痛点→2)解決→3)算定式→4)試算→5)導入手順→6)FAQの順で解説します。導入事例としてオリエンタルベーカリー様のケースもあわせてご紹介します。

1) なぜ“瞬停”が致命的か——トイレタリー特有の痛点

再立上げの長さ

連続包装工程は1つでも落ちると全体を止めます。ラインクリアランス、CIP/洗浄、計量再調整、品質帳票の復元などで30〜90分の再立上げが発生しやすく、その間の粗利は消失します。配合や温調がシビアな液体製剤では、条件再安定までの「待ち時間」も無視できません。

スクラップの発生

香料・界面活性剤・高付加価値ボトルや多層ラミネートチューブ、印字済みラベルは停止直後の途中品が使えず廃棄になることが多く、1回で数万〜数十万円規模。充填直後の製品や半製品も品質保証の観点から全数再検査・再充填が必要になる場合があります。

検査・ITの瞬断

カメラ検査PC、重量選別、WMS、ハンディ、スイッチングHUB、無線APが落ちると出荷スロットを逃し、納品遅延やチャージバックの火種に。ライン自体が動いても「ITが落ちて納品できない」ボトルネックが頻発します。

ブランド影響・棚落ち

定番カテゴリは欠品が顧客離脱に直結。小売のエンドでの棚落ち・フェイス縮小は回復に時間がかかり、販促コスト増につながります。安定供給はそのまま「売上の土台」です。

これらの損失は、個別装置の高性能化だけでは防ぎきれません。重要なのは「ライン全体として止まらない状態をつくる」ことであり、その核となるのがパーソナルエナジー・ポータブルです。

2) 解決策の芯:可搬×長時間ブリッジ×CVCFで“停止”を未然に断つ

当社は、ラインのそばに置ける可搬型の大容量システムで、数秒〜数十分の瞬停・短時間停電を無瞬停で吸収し、長めの停電では3時間以上の連続バックアップで自家発電・系統復帰まで橋渡しします。さらにCVCFで電圧・周波数変動や高調波の影響を抑え、PLC/サーボ/インバータ/計量器/検査PCの誤動作を抑止。

  • 可搬性:床荷重や大掛かりな盤改造を抑え、ライン脇へのサテライト配置が容易。将来のレイアウト変更にも柔軟です。
  • 長時間ブリッジ:段取り替えや出荷ピークを跨ぐ3時間以上を標準運用に。自然停電だけでなく、計画停電・受電設備メンテでも業務を止めません。
  • 電源品質の安定:CVCFで瞬時電圧低下・周波数偏差・高調波を補正。微妙な電源品質劣化に起因する「謎の停止」を潰します。
  • 通知・記録:停電や電源イベント時はPCにメールで担当者へ自動通知。発生時刻や復帰時刻のログが残り、再発防止に役立ちます。

目的はただ一つ。「従来にはない長時間“無停電”で事業継続」。ライン停止に伴う損失を、最も効率の良い投資で削るのがパーソナルエナジー・ポータブルの役割です。

対象負荷の例

  • 製造:調合・溶解・循環ポンプ・温調・PLC・操作盤
  • 包装:充填機・キャッパ・ラベラー・印字検査・外観検査・重量選別・ケース詰め
  • IT/ネットワーク:検査PC・サーバ(オンプレ)・HUB・無線AP・WMS端末・プリンタ
  • 物流:自動倉庫・ハンディ・秤・ラベルプリンタ・出荷ゲート周辺

3) 年間「費用対効果」算定テンプレート

導入検討〜社内稟議で共通言語になるよう、トイレタリー工場向けに指標化した式をご用意しました。数値を差し替えるだけで、部門横断の合意形成にご利用いただけます。

年間効果額(円)=
①〔ライン毎粗利/分〕×〔停止分数〕×〔発生回数〕×〔防止率
+ ②〔原材料・包材スクラップ回避〕+ ③〔チャージバック/遅延ペナルティ回避
+ ④〔人件費・残業・再立上げエネルギー削減〕+ ⑤〔欠品・棚落ち回避の機会利益〕

防止率(目安)

  • 瞬停〜短時間停電(数秒〜数十分):80〜95%
  • 長時間停電:バックアップ時間内はほぼ100%で橋渡し

「装置1台の高性能化」ではなく、「ライン全体の停止確率を下げる」投資判断はいかがでしょうか。ボトルネック装置/検査PC/ネットワーク機器から優先配備し、最小台数で最大効果を狙います。監査対応やISO・GMP系の要求に合わせ、イベント発生時の証跡(メール通知とログ)を残す運用もセットで整備します。

4) 規模別の現実的サンプル試算(S/M/L)

以下は“標準的な仮定”で置いたラフ試算です。御社の粗利/分・停止分数・発生回数に差し替えれば、そのまま社内稟議資料にお使いいただけます。

S:小規模(包装1ライン)

  • 粗利/本 ¥40、120本/分 → 粗利/分 ¥4,800
  • 瞬停6回×30分+停電1回×60分=計240分(防止率80%)
  • ①=4,800×240×0.8=¥921,600
  • ②スクラップ 8万円×6回×70%=¥336,000
  • ③ペナルティ 10万円×2回=¥200,000
  • ④再立上げ等=¥50,000

合計:≒ ¥1,510,000 / 年

M:中規模(包装3ライン)

  • 粗利/分/ライン ¥7,500 → 合計 ¥22,500/分
  • 瞬停5回×45分+停電1回×120分=345分(防止率85%)
  • ①=22,500×345×0.85=¥6,600,000
  • ②15万円×6回×70%=¥630,000
  • ③20万円×3回=¥600,000
  • ④=¥200,000

合計:≒ ¥8,000,000 / 年

L:大規模(包装6ライン)

  • 粗利/分/ライン ¥12,000 → 合計 ¥72,000/分
  • 瞬停8回×45分+停電2回×120分=600分(防止率90%)
  • ①=72,000×600×0.9=¥38,880,000
  • ②25万円×10回×70%=¥1,750,000
  • ③チャージバック 100万円×2回=¥2,000,000
  • ④=¥600,000

合計:≒ ¥43,200,000 / 年
目安として、「1ラインあたり年150万〜800万円級」、規模が上がると数千万円級の損失回避レンジが見込めます。

5) 導入手順とチェックリスト(最短・低リスク導入)

導入プロセス

  1. 現場ヒアリング(30〜60分/ライン):対象負荷(充填・検査・計量・制御盤・ネットワーク)と停止起点を特定。既設の発電機・受電設備・盤構成を確認。
  2. サテライト設計:ライン脇に可搬配置。ケーブルは短く、切替は安全第一。分岐・遮断器・漏電保護の設定値をすり合わせます。
  3. 本設置・試運転:代表SKU+ピーク時間で挙動を確認。停電シナリオ(瞬停/短停/長停)を模擬し、復帰の手順を文書化。
  4. 運用最適化:停電/電源イベント時はPCにメールで担当へ自動通知。点検周期(外観・絶縁・端子トルク・清掃)と交換年次の目安を整備。

設計の勘どころ

  • ボトルネック優先:まず止めたくない装置(検査PC・計量・ラベラー・PLC/HUB)に集中投資。
  • “3時間以上”を標準:段取り替えや出荷波動を跨ぐ時間を初期値に。必要に応じて増設可能なモジュール構成に。
  • 機器仕様に合わせてパーソナルエナジー・ポータブルで対応:周波数・起動電流・高調波・アース設計・ノイズ対策を事前にすり合わせ。
  • 保安と安全:感電・短絡・過負荷の保護、非常停止系との連携、避難動線を確保。教育・訓練もセットで実施。

6) よくある質問(FAQ)

Q. 既存の非常用発電機があれば十分では?

A. 発電機は“起動までの時間”“電源品質”をカバーしません。パーソナルエナジー・ポータブルは瞬停〜短停を“なかったこと”にし、発電機や系統復帰までの長時間ブリッジも担います。発電機併用時は切替時の瞬断や周波数偏差も吸収可能です。

Q. バッテリー寿命・メンテは?

A. 使用条件にもよりますが、交換目安は5年です。セル健全性点検・温湿度管理・放熱・端子トルク管理を運用ルール化し、更新費用をライフサイクルに織り込みます。

Q. どこから保護すべき?

A. まずは停止影響の大きい検査PC・計量・ラベラー・制御盤・HUB/無線AP。次に充填・搬送などの駆動系へ段階拡張するのが現実的です。可搬型なので配備の順番を柔軟に変えられます。

導入事例|オリエンタルベーカリー様(受注センター)

関西・関東に拠点を構えるオリエンタルベーカリー様では、受注センターの止められない業務に対してパーソナルエナジー・ポータブルを導入。受注はFAX/電話/オンラインなど多経路で24時間連続。「停電時や設備メンテナンス時でも止まらない受注業務体制の整備」を目的に、当社の可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』を採用いただきました。

オリエンタルベーカリー受注センターの導入事例(トイレタリー停電対策の参考)
画像提供:オリエンタルベーカリー様

導入のポイント

  • 停電時でも無瞬停で長時間対応:業務停止せず受注継続が可能に。
  • PCにメールで通知:停電イベント時に担当者へ自動連絡、迅速に判断・対応。
  • 可搬性と安全性:本体をキャリーで移動でき、海・空の輸送にも耐える堅牢性を評価。

同社コメント(要旨):「パンを届ける、笑顔を届ける。受注が止まらないことは何よりの品質です。現場に合った“止めない電源”で安心感が増しました。」

※本事例は受注業務の例ですが、検査PC・WMS・HUBなど情報インフラの連続性が生産ラインの安定稼働につながる点で、トイレタリーの製造・物流にも通底します。

製品情報|可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』

ライン脇に置ける可搬型3時間以上の連続バックアップ、CVCFで電源品質を安定。停電・瞬停を“なかったこと”にし、長めの停電は自家発電/復帰までしっかりブリッジします。詳細仕様や導入事例、よくある質問は下記製品ページをご覧ください。

可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』 製品ページへ

参考/出典(外部リンク)

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