エコワンソーラーは元が取れるのか?<続編>

2025.10.30 家庭の省エネ・給湯 太陽光・蓄電池 管理人

エコワンソーラーは元が取れるのか〈続編〉

株式会社Re ・ 読了目安:約8分 ・ 最終更新:2025-10-30
© Re 2025 執筆:株式会社Re|髙橋

エコワンソーラーは元が取れるのか?<続編>

1.この記事の要点

前回記事(エコワンソーラーは元が取れるのか?)の結論を実務視点でブラッシュアップしています。「元が取れるか」は家庭ごとの前提条件に大きく依存します。特に、LPガス利用・家族人数が多い・太陽光(PV)自家消費が高いほど、年間効果額(円)が伸びやすく、回収年数は短くなりやすい傾向です。一方、使用量が少ない・不在が多いなどの家庭では効果が小さく、導入優先度は下がります。

2.費用対効果の見方:回収年数・年間効果額・5年総所有コスト(Total Cost of Ownership)

2-1. 基本式

費用回収年数 = (初期費用 − 補助金等) ÷ 年間効果額(光熱費削減額 等)

2-2. 指標セット(本記事の標準)

  • 年間効果額(円):電気/ガスの購入量削減で得られる実額
  • 費用回収年数:上式で算定(前提により上下)
  • 5年TCO:初期費+付帯工事・保守 −(年間効果額×5)

2-3. 初期費用の内訳例

  • 本体・ユニット・コントローラ一式
  • 付帯工事(電源・配管・架台・撤去処分 等)
  • 必要に応じた分電・100V/200V系統・防雪/防音対策 等

3.前提条件で結果が変わるポイント

3-1. ガス種(都市ガス/LPガス)

一般的にLPガスは個別契約のため単価が高く設定され、削減余地が大きくなる傾向にあります。一方、都市ガスは単価が低めで効果は緩やかになりがちですが、LPガスの単価によっては逆転も可能です。

3-2. 太陽光の有無・容量・自家消費率

昼間の余剰を給湯側で使えると、購入電力量の削減が進み、年間効果額が伸びやすい。売電単価より自家消費価値が上回るケースで顕著です。

3-3. 家族人数・生活パターン

浴槽使用頻度・シャワー時間・在宅時間帯など、給湯負荷の山と機器運転が合うほど有利。逆に不在が多いと効果は小さくなります。

3-4. 単価・メニュー

電気/ガスの単価・契約メニューで効果は大きく変動。年2%の上昇などの感度を持たせた試算が実務的です。

4.モデルケースの考え方(数式ベース)

4-1. ステップ

  • ① 現状の年間購入量(電気/ガス)× 単価 = 現状コスト
  • ② 導入後の年間購入量見込み(自家消費率・効率改善)× 単価 = 導入後コスト
  • 年間効果額=①−② を算出し、回収年数・5年TCOを並記

4-2. 感度の付け方

  • 単価 ±10〜20%、在宅時間 ±10%、太陽光自家消費 ±10% の3軸でスパッと確認
  • 効果が鈍い前提でも許容できるか(ワースト前提の確認)

5.現場で見えた3つの本音

5-1. 体験談

「家族構成×在宅時間×太陽光」の相性がよいと、数字以上に“使い勝手の満足”が高い。昼間の家事・入浴タイミングをほんの少し寄せるだけで、自家消費率がグッと上がることも。

5-2. よくある失敗談

想定より配管・電源工事が必要になり初期費が膨らむ/運転モードの初期設定が最適化されず、効果が見えにくい—導入前の現地確認と初期チューニングが肝心。

5-3. こういう家庭には“おすすめしない”

長期不在・単身で給湯負荷が小さい/PVがなく昼間の使用が少ない—この条件では費用対効果が出にくいので、無理に勧めません。

6.設計・施工のチェックリスト

6-1. 設置性

  • 設置スペース・重量・搬入経路
  • 防雪・防風・騒音・凍結対策(地域条件)
  • 排水・ドレン・メンテスペース

6-2. 電源・配管

  • 分電盤容量・100V/200V系統の有無・ブレーカー余裕
  • 配管距離・保温・既設配管の状態

6-3. 初期チューニング

  • 運転モード・スケジュール設定
  • PV連携の前提(自家消費率の狙い設定)

7.補助金は“あと残り僅か”|来年度に向けて準備も視野に

今年度の「給湯省エネ補助金」は現在消化率79%(2025年10月30日時点)。来年度も視野に入れつつ、お早目のご検討をお願いします。最新情報は公式HPをご確認ください。

受付開始が早い年はスピード勝負です。前提条件の整理と“当て”作りを先に済ませておくのが実務的です。

「うちだといくら差が出る?」を先に把握

家族人数・ガス種・太陽光の有無・単価などの条件から、年間効果額/回収年数/5年TCOの“概算”を作成します。

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8.よくある質問(FAQ)

Q1. 本当に元が取れますか?

ご家庭の前提次第です。LPガス/大家族/太陽光自家消費が高いほど有利。単身・不在多めはおすすめしません。

Q2. 試算のとき何を出せばいい?

電気/ガスの請求情報(1年分)、家族人数、在宅時間、PVの有無・容量、契約メニュー。前提と感度(±10〜20%)をセットで見ます。

Q3. 今年度の補助金は使えますか?

今年度は予算消化で受付終了。来年度は条件が変わる可能性があるため、公式の最新情報をご確認ください。

Q4. メンテ費用は?

年次点検・消耗品・万一の修理など、見積時に5年TCOへ織り込みます。

Q5. 太陽光がなくても導入する価値は?

ありますが効果は小さくなりがち。PVなしの場合は在宅パターンやガス種次第で優先度を判断します。

私たちの想い

子供たちのために-次の世代に、胸を張って渡せるエネルギーを

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