©Re 2025 執筆:株式会社 Re 髙橋 | 読了目安:約5分

ランサムウェア対策 電源レジリエンスという新常識。ウイルス対策ソフトだけでは防げない「二次災害」の真実

こんにちは。株式会社Reの髙橋です。

「ウイルス対策ソフトを入れているから大丈夫」「バックアップはある」
そう安心されている経営者様も多いですが、エネルギーの専門家として警鐘を鳴らさざるを得ない「重大な欠落」が多くのBCP(事業継続計画)に見受けられます。

それは、「システム復旧のための『安全でクリーンな電源』は確保されていますか?」という問いです。

本日は、サイバーセキュリティの盲点となっている「電源レジリエンス(回復力)」について、現場の実態と解決策を解説します。

なぜ、セキュリティ対策をしていても「現場」は止まるのか

ランサムウェア攻撃による被害額は年々増加しており、大手企業で事業停止50日、被害総額17億円に達した事例もあります。攻撃者は企業の心臓部である基幹システムを狙い撃ちし、製造や物流を完全にストップさせます。

「汚染された電源」には繋げないジレンマ

システムが感染した際、まず行うのはネットワークの遮断です。しかし、その後の「原因究明(フォレンジック)」や「データ復旧」作業で、PCやサーバーを既存のコンセントに繋いでよいのでしょうか?

答えは「NO」です。
高度な攻撃では、IoT機器経由の電源干渉や、再感染(ラテラルムーブメント)のリスクがあるため、セキュリティ専門家は「物理的に隔離された環境」での作業を推奨します。

しかし多くの現場には、全館共有の電力網しかありません。結果、IT担当者は「まず安全な電源をどう確保するか」に時間を取られ、業務停止が長期化してしまうのです。

復旧作業を阻む「電源喪失」という二次災害

「サーバーラックのUPS(無停電電源装置)がある」と思われるかもしれませんが、一般的なUPSのバックアップ時間は5〜10分程度。これは安全にシャットダウンするための時間で、数テラバイトのデータ復旧作業には到底足りません。

復旧中の瞬断がすべてを無にする

数日かかる復旧作業中に、落雷やビルの法定点検で「瞬断」が起きたらどうなるでしょうか。
作業は強制終了され、データは破損し、すべてが振り出しに戻ります。私たちはこれを、サイバー攻撃(一次災害)に続く「二重災害」と呼び、最も警戒すべきリスクと捉えています。

解決策:「電源レジリエンス」による物理的隔離

この課題に対し、当社が提唱するのが「電源レジリエンス」です。
可搬型大容量UPS『パーソナルエナジー・ポータブル』を用い、社内電力網から切り離された「動く、安全な電源拠点」を即座に構築します。

ランサム対策 電源:名古屋駅地下街「エスカ」導入事例:パーソナルエナジー・ポータブル
名古屋駅地下街「エスカ」様での導入事例。キャスター付きで移動可能なため、必要な場所に即座に安全な電源拠点を構築できます。

このアプローチには3つの強みがあります。

1. 止める (Contain):物理的な封じ込め

異常検知時に即座に給電を遮断。LANだけでなく電源供給も制御することで、物理レベルで被害拡散を封じ込めます。

2. 守る (Protect):長時間の安定稼働

火災リスクゼロのAGMバッテリーを採用し、10時間以上の電力供給を実現。法定点検や落雷の影響を受けず、安心して復旧作業を完遂できます。

3. 再開する (Recover):段階的な復旧

脅威除去後、遠隔操作で電源を再投入。独立電源のままスモールスタートすることで、再感染リスクを極小化しつつ業務を再開できます。

今だけの好機:中小企業経営強化税制の活用

「コストが掛かるのでは」というご懸念はもっともですが、現在(2025年度)、非常に有利な導入環境が整っています。

ランサム対策 電源:ランサムウェア対策費用の投資回収イメージと税制優遇
投資回収イメージ。税制優遇を活用しつつ、たった一度のインシデントを防ぐだけで導入コスト以上の損害回避効果が期待できます。

本製品はJEITA認定の「生産性向上設備」であり、2027年3月31日まで「中小企業経営強化税制」による即時償却(全額経費計上)または最大10%の税額控除が可能です。
数億円規模の損害リスクに対し、税制優遇を活用して対策できる今は、経営判断として絶好のタイミングです。

御社のBCPに「電源」の視点はありますか?

「業務停止損害額シミュレーション」や「中小企業経営強化税制」の
詳細資料をご用意しております。まずはお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問 (Q&A)

発電機では代用できないのですか?
非常用発電機は排気ガスや騒音の問題があり室内稼働が困難です。また、電圧変動が大きく精密機器の故障原因になります。本製品は医療機器も動かせるほどクリーンな電気を供給します。
導入には大掛かりな工事が必要ですか?
いいえ、必要ありません。キャスター付きの可搬型ですので、導入当日からコンセントに繋ぐだけで使用可能です。
既存システムとの連携は可能ですか?
はい。ネットワーク監視装置からのアラートで電源制御を行うなどのカスタマイズも可能です。ITとエネルギーを融合させた提案が当社の強みです。

私たちの想い:エネルギーで守る企業の未来

私たちが目指すのは、どのような非常事態でも企業活動が止まらず、人々が安心して過ごせる「自律的な環境」を作ることです。

ランサムウェアという暴力に対し、外部インフラに依存しない「独立したエネルギー」を持つことは、企業の強靭さ(レジリエンス)を高める第一歩です。
これは、当社が掲げる「10年後には社会の約2割が電力網に頼らず自律的に暮らせる社会」というビジョンにも通じます。

まずは企業の「心臓部」を守ることから、私たちと一緒に始めませんか。