ランサムウェア対策の盲点。「手術室（クリーンな電源）」なしで、どう復旧しますか？

サイバーセキュリティの脅威が増す中、多くの企業がウイルス対策ソフトやデータのバックアップに多額の投資をされています。しかし、万が一ランサムウェアに感染した際、「どの電源を使ってサーバーを再起動するか」までシミュレーションできているケースは、驚くほど少ないのが現状です。

本日は、ITセキュリティに関わる方々や、リスクヘッジを提案する損害保険会社の方々とも共有したい、「物理層（電源）からのセキュリティ」という視点についてお話しします。

ランサムウェア被害からの復旧作業を、医療現場に例えてみましょう。

どれほど新鮮な「輸血（データ）」を用意していても、手術を行う「手術室（サーバーを動かす環境）」がウイルスで汚染されていたり、停電で照明が落ちていたりすれば、救命措置は成功しません。

社内の商用電源ネットワーク自体が攻撃の影響を受けている、あるいは二次感染を防ぐためにネットワーク全体を遮断しなければならない状況下では、「物理的に独立したクリーンな電源」がなければ、復旧作業すら開始できないのです。

そこで当社がご提案したいのが、系統電力から独立した電源システムをBCP（事業継続計画）に組み込む手法です。これを単なるコスト（保険）ではなく、利益を守るためのインフラ「オフグリッド・プロフィット・インフラ」として提唱します。

攻撃を検知した瞬間、外部ネットワークと繋がった電源から、独立電源（蓄電池システム）へと切り替える。あるいは、最初から重要サーバーのみを独立電源で運用する。これにより、外部からの侵入経路を物理的に断つことができます。

さらに、工事不要で移動可能な「可搬型」の産業用蓄電池であれば、被害を受けていないフロアや部屋へシステムごと移動し、そこで即座に「動く無菌室（クリーンな復旧環境）」を構築することが可能です。

この「電源による物理防御」は、既存のセキュリティソリューションと競合するものではなく、むしろ相互に補完し合う「ラストワンマイル」のピースです。

IT/DXベンダー様：
ソフトウェアによる論理防御に加え、電源による物理防御をセットにすることで、他社にはない「復旧保証レベル」の提案が可能になります。
損害保険会社様：
復旧スピードが早まることは、事業中断期間の短縮、ひいては保険金支払いの抑制（ロスレシオ改善）に直結します。

「なぜ、ITの話なのに建築の知識が必要なのか？」と思われるかもしれません。

実は、ここが多くの導入プロジェクトで壁となるポイントです。サーバー室に大型の蓄電システムを導入するには、「床の耐荷重計算」「排熱処理」「配線ルートの確保」といった建築的な制約をクリアしなければなりません。

どれほど優れたIT機器や蓄電池スペックであっても、建物という「箱」に適合しなければ稼働しないのです。

私たちは、IT機器のスペックだけでなく、建物の構造計算や現場の物理的制約まで含めて「実装可能」な設計を行います。「エネルギーの技術」と「建物の実装力」、この2つを掛け合わせ、設備と建物の両面から最適解を出せることが、私たちが選ばれている理由です。

御社のセキュリティ提案に「電源」というカードを加えませんか？

ITベンダー様、保険代理店様との共同提案や勉強会も随時承っております。
まずは「電源喪失時の損害額シミュレーション」から、リスクを可視化してみませんか。

※詳細な技術情報や製品スペックについては、メーカー（慧通信技術工業）の公式サイトをご確認ください。
https://www.ieee802.co.jp/ppower-bbank/