電気代高騰対策:買う電気より作る電気が安い?2025年冬の賢い選択
2025.12.08 住まいの省エネ・光熱費 管理人

Re 2025 執筆:株式会社 Re編集部 | 読了目安:約4分
12月に入り、暖房をつける時間が増えてきました。「節約しているつもりなのに、明細を見るのが怖い…」そんなふうに感じているのは、きっとあなただけではありません。
こんにちは、株式会社Reです。
私たちは普段、愛知県・三河地域でエネルギーや住まいのご相談をお受けしていますが、「どうすればこの電気代高騰の時代を、少しでも賢く、心穏やかに過ごせるか」について、少し違った視点でお話しできればと思います。
1. 電気代は、なぜ「下がる」と言い切れないのか
「そのうち元に戻るだろう」と期待したいところですが、実は電気代の構造を紐解くと、簡単に下がらない理由が見えてきます。
資源エネルギー庁のデータによると、家庭向けの電気料金単価は、2010年度から2022年度にかけて約6割(59%)も上昇しています。
これは燃料費だけでなく、「再エネ賦課金」など、私たちがどんなに節電しても掛かってくるコストがベースにあるからです。
つまり、「電力会社から電気を買い続ける限り、価格変動のリスクはずっと続く」ということになります。
一方で、少し明るいニュースもあります。電気代(買う電気)は上がっていますが、太陽光パネル(電気を作る道具)の価格は、技術の進歩でこの10年で約60%も下がっているという事実です。
これまで「元が取れるか不安」と迷っていた方も、今は「高い電気を買い続けるより、屋根で発電して使った方が、結果的に家計が守れる」というケースが増えてきています。
2. よくある質問「蓄電池って、本当に必要?」
太陽光発電の話になると、セットで蓄電池を勧められることが多いと思います。でも、本当にすべてのお宅に必要なのでしょうか?
ライフスタイルによって「最適解」は違います。無理をしてフルセットを揃える必要はありません。
蓄電池が「役立つ」ケース
- 日中、誰も家にいないご家庭:昼間に発電した電気を貯めておき、夜、家族団らんの時に使うことで電気代を抑えられます。
- 「もしも」の備えを重視したい方:台風や地震で停電した際も、照明や冷蔵庫が使える安心感は、数字以上の価値があります。
まずは「パネルだけ」でも十分なケース
- ペットがいたり在宅ワークで、昼間も電気を使うご家庭:発電した電気をその場で使い切れるなら、高価な蓄電池をすぐに導入しなくてもメリットが出ます。
- 初期費用を抑えたい方:まずは太陽光パネルだけで「電気の自給」をスタートし、浮いた電気代を貯蓄に回すのも賢い選択です。
大切なのは、「何を買うか」ではなく、「あなたの生活リズムに合っているか」です。
3. 太陽光パネルは「家電」ではなく「リフォーム」です
ここが一番お伝えしたいポイントです。
太陽光発電というと「電気の話」と思われがちですが、実は「屋根に数百キロのものを固定し、配線を壁に通す」という建築工事でもあります。
だからこそ、発電量(シミュレーション)と同じくらい、いえ、それ以上に気にしていただきたいのが「家の健康」です。
雨漏りと耐震性の視点
屋根に穴を開けて固定する場合、防水処理が甘いと、数年後に雨漏りの原因になることがあります。また、重いパネルを載せることで、家の重心が変わり、耐震バランスに影響が出ることもゼロではありません。
「たくさん載りますよ」という提案も魅力的ですが、私たちはまず、「その屋根の構造は、パネルの重さに耐えられるか?」「10年後も雨漏りしない施工方法はどれか?」という、建物の安全性を最優先に考えます。
屋根裏に入って垂木(たるき)の状態を確認したり、通気層を塞がないように配慮したり…。地味な作業ですが、長く住む家だからこそ、こうした「見えない部分」の確認が何より大切だと考えています。
まずは「わが家の現状」を知ることから
いきなり導入を検討する必要はありません。「今の電気の使い方だと、どれくらい自給できるの?」「うちの屋根の状態は大丈夫?」といった、素朴な疑問の解消から始めてみませんか?
他社様の見積もりを見て「この工事内容で、家の強度は大丈夫かな?」と不安になった時も、セカンドオピニオンとしてお使いください。
これからの冬本番、電気代に一喜一憂しない、そんな暮らしのヒントになれば幸いです。
- 出典:総務省統計局消費者物価指数、資源エネルギー庁資料、愛知県内市場調査資料等を参照
Re 2025 執筆:株式会社 Re 編集部
