2026年4月、電力契約が変わる?計算式の変更で企業が注意すべき点とは
2025.12.24 省エネ・コスト削減 管理人

Re 2025 執筆:株式会社 Re 編集部 | 読了目安:約4分
2026年4月より、中部エリアの電力契約において重要な変更が予定されています。
本記事は、中部電力ミライズと「特別高圧」または「高圧」で、かつ「標準メニュー」をご契約されている企業様を対象とした解説です。
「うちは対象なのかな?」と思われた方は、毎月の検針票(電気料金明細書)の契約種別欄をご確認ください。
もし対象であった場合、今回の改定内容を正しく理解しておくことが、来期以降の予実管理において非常に重要になります。
結論:平均負担は「変わらない」設計ですが、「振れ幅」が変わります
まず、最も重要な公式情報からお伝えします。
中部電力ミライズの発表(2025年11月27日プレスリリース)によれば、今回の制度変更において「お客様の負担が変わらないよう、電力量料金単価を見直す(引き下げる)」と明記されています。
つまり、現状の燃料価格や市場価格が続く前提であれば、新制度になっても請求額はほぼ横ばいになるよう設計されています。まずはご安心ください。
しかし、私たちが注目しているのは、「請求額の変動リスク(振れ幅)」の構造が変わるという点です。
平均値は同じでも、市場価格が大きく動いた際、その影響がこれまでよりもダイレクトに請求額に反映される仕組みに変更されます。
何が変わるのか? 3つの変更点と影響イメージ
計算式の専門的な変更点は多岐にわたりますが、経営への影響という観点で重要なのは以下の3点です。
1. 市場価格の影響を受けやすくなる
電気料金に含まれる「市場価格調整」の基準値が変更されます。
これまでは卸電力市場価格が「19.37円/kWh」を超えるまでは追加調整が発生しませんでしたが、新制度ではこの基準が「12.16円/kWh」に引き下げられます。
【影響のイメージ(試算例)】
仮に、市場価格が「15円」だった月を想定してみます。
- これまで:基準(19.37円)以下なので、プラス調整は0円です。
- これから:基準(12.16円)を超えた差額(約2.84円)に対し、所定の係数が掛けられ、プラス調整が発生する可能性があります。
2. 冬場のコスト変動に注意が必要(季節別係数の導入)
これまで年間一律だった市場価格調整の「係数」が、月ごとに設定されるようになります。
2026年度の設定案を見ると、春・秋は係数が低めですが、電力需要が高まる1月・2月は係数が高く設定されています。
これは、冬場に市場価格が高騰した場合、そのコスト増が請求額に反映されやすいことを意味します。
逆に言えば、市場価格が落ち着いている春・秋などは、調整額が抑えられるメリットも享受できます。
3. 燃料価格の「安定装置」が変更
これまでは価格が比較的安定している「石炭」の影響度が大きかったのですが、新制度では国際情勢で変動しやすい天然ガスや、米国のガス指標の影響をより強く受けるようになります。
燃料費が下がればこれまで以上に安くなる恩恵がありますが、逆に高騰した際は、その波を被りやすくなる側面もあります。
「上がる」だけでなく「下がる」局面もあります
ここまでリスクについて触れましたが、この変更は決して「値上げ」一辺倒ではありません。
市場価格が基準(12.16円)を下回るほど安くなったり、燃料価格が下落したりすれば、新制度の方が電気代が安くなるケースも十分に考えられます。
重要なのは、「高くなる時も安くなる時も、その波が大きくなる可能性がある」ということです。
毎月の固定費を安定させたい企業様にとっては、このボラティリティ(変動率)の拡大こそが、対策すべき課題と言えるでしょう。
Webでの契約更新は、内容をよく確認してから
こうした制度変更に伴い、Web上で手続きできる新しいプランへの移行案内が届くこともあるかと思います。
手続きが簡便なのはメリットですが、中には契約期間の定めがあるものや、解約時に条件が付くものも存在する可能性があります。
「よく分からないままクリックして、気づいたら長期契約になっていた」
とならないよう、更新ボタンを押す前に、一度契約条件(特に契約期間と解約条項)に目を通すことをおすすめします。
1年分の明細から、御社の「影響額レンジ」を試算します
今回の変更は、企業の電力使用パターン(季節ごとの使用量や、稼働時間帯)によって影響が全く異なります。
「自社の場合は、リスクが増えるのか? それとも恩恵があるのか?」
気になられる方は、過去1年分の電気料金明細(データでも可)をご用意いただければ、新制度における影響額のシミュレーションを作成いたします。
私たちは特定の電力会社への切り替えを無理に勧めることはありません。
現状維持が良いのか、リスクヘッジのために他社も検討すべきか。
御社の経営判断の材料として、客観的な数値データをご提供します。
※本記事の解説は、以下の公開情報に基づいています。
