停電で診療が止まる・・・損失は「売上」だけじゃない

2026.01.08 医療・福祉・公共 管理人

年商3億のクリニックが8時間停電した場合の損失は最大600万円?「見えない損失」を可視化し、診療を止めないための戦略を解説。

Re 2026 執筆:株式会社Re 髙橋|読了目安:約4分

【TL;DR】この記事の要約

8時間の電源トラブルは「売上」より「信用」と「復旧対応」で効いてきます。
まずは“守るべき回路の優先順位”だけ決めましょう。

「先生ご自身は、歯科の定期検診には行かれていますか?」

ある院長先生との雑談で、こんな話題になりました。
その先生は「もちろん行くよ。虫歯になってから治療に通う時間とコストの方が、予防コストより圧倒的に高いからね」と仰いました。

まったくその通りだと思います。
先生方は日々、患者様に「予防」の重要性を説かれているプロフェッショナルです。

では、先生のクリニックの「経営の予防」はどうされていますか?

多くの医療機関が、災害や設備トラブルという「経営のリスク」に対しては、「何か起きてから考える(対症療法)」になりがちです。
今回は、あえて少し厳しい現実(数字)を直視してみたいと思います。

クリニックの停電対策で見落とされがちな損失

先に結論から申し上げます。
年商3億円規模のクリニックにおいて、電源トラブルで診療が1日(約8時間)ストップした場合、その損失額は250万円〜600万円のレンジになりやすいという試算が出ました。

実際に、弊社の損害額シミュレーションツールで試算した結果がこちらです。
1回あたりの損害額:約556万円

停電 損失|BCPシミュレーターの試算結果(年商3億・8時間停止想定)
▲弊社のBCPシミュレーターによる試算結果(年商3億・8時間停止想定)

「1日の売上は100万程度だ、なぜ500万オーバーになるんだ?」
そう思われた先生こそ、ぜひ続きをご覧ください。氷山の一角の下に隠れている「見えない損失」の内訳を解説します。

1. 試算の前提条件(煽りではなく「ものさし」として)

ここで提示する数字は、危機感を煽るためのものではありません。
先生が「自院ならどうなるか?」を冷静にシミュレーションし、投資判断をするための「ものさし」です。計算式はすべて開示します。

定義:電源トラブルとは

本記事における「停止」の原因は、広域停電だけではありません。
落雷による瞬低(電圧降下)、ブレーカートラブルによる瞬断など、「医療機器や電子カルテを一瞬でも停止させる“電源品質の乱れ”全般」を指します。

モデルケース(ツール入力条件)

以下の条件で詳細なシミュレーションを行いました。

シミュレーション入力条件(基本情報)
シミュレーション入力条件(停止条件)
シミュレーション入力条件(コスト対策)
  • 科目:内科・消化器内科(東海エリア想定)
  • 年間売上:3億円
  • スタッフ:10名
  • 停止時間:8時間(1日)

2. 診療停止の連鎖(現場オペレーションの崩れ方)

金額の前に、現場で何が起きるか想像してみましょう。
電源が落ちた瞬間、損害はすでに始まっています。

  • ⏱️ 0分(発生): 瞬断により電子カルテ・レセコンのサーバーがダウン。診察室の画面がブラックアウト。
  • ⏱️ 10分(混乱): 受付で会計不能。電話が鳴り止まない。「冷蔵管理(ワクチン・検体)の保全」と「個人情報を含むデータ整合性の確認」という、重い業務が同時に発生します。
  • ⏱️ 60分(疲弊): 復旧の目処立たず。午後の予約患者様全員へ「お断り」の電話連絡を開始。クレーム対応にスタッフが疲弊する。
  • ⏱️ 復旧後(残務): システム再起動、データ不整合の修正、未会計分の処理、紹介元病院への説明……深夜まで残業が続く。

3. 損害の内訳(4つの損失レイヤー)

上記のシミュレーション結果(約556万円)の内訳を分解すると、以下のようになります。

損失項目 計算根拠・内容 概算金額
① 売上機会損失 当日診療報酬+窓口収入
年商3億 ÷ 290日
約 103万円
② 人件費・復旧費 スタッフ給与(空転)+システム緊急対応費
+レセプト遅延残業代など
約 50万円
③ 廃棄ロス 温度逸脱リスク
ワクチン・検体・高額薬剤の廃棄
約 30万円
④ 信用毀損(LTV) 患者離脱による将来損失
80名×離脱率3%×LTV(想定)
約 373万円
合計損害額(1回あたり) 約 556万円

① 売上機会損失

これは分かりやすい数字です。診療が止まれば、当然その日の収益はゼロになります。

② 人件費・復旧コスト

診療が止まっていても、人件費は発生します。さらに痛いのが、システム業者への緊急出動費やデータ復旧費といった実費キャッシュアウトです。

③ 廃棄ロス(温度逸脱)

温度逸脱による廃棄(ワクチン・検体・薬剤)のリスクです。特に高額な薬剤を扱っている場合、ここだけで被害額が跳ね上がります。

④ 【最重要】信用毀損とLTV損失

シミュレーション結果で最も大きな割合(約373万円)を占めているのがここです。
「あそこのクリニック、すぐ停電して診てもらえないらしいよ」
この口コミにより、数%の患者様が他院へ転院(離脱)してしまった場合の将来的な損失です。

本記事のモデル条件では約556万円でしたが、②〜④の前提(院内体制/温度逸脱の有無/離脱率やLTVの置き方)次第で、合計は250万円〜600万円に収まりやすい、という位置づけです。
※④の金額は、離脱率やLTVの設定により変動します。

4. 「発電機」や「小型UPS」との決定的違い

「うちは発電機があるから大丈夫」「UPSを入れているから平気」
そう思われるかもしれませんが、設備の「設計目的」の違いを整理する必要があります。

対策設備 主な目的(設計思想) 医療現場での課題
非常用発電機 長時間の電源確保 始動に時間がかかり瞬断を防げない。
騒音・排ガス・燃料管理の手間。
電圧変動による精密機器へのノイズ懸念。
小型UPS
(無停電電源装置)
安全に停止(シャットダウン)するため 安全停止を主目的に設計されることが多く、診療継続に必要な「時間」と「電源品質」が不足しやすい。
※構成により変動します(保持時間は数分〜10分程度のケースが多い)。
可搬型大容量UPS
× CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』
診療を止めないため
(長時間稼働+高品質維持)
停電・瞬低・瞬断リスクを大幅に低減。
CVCF(定電圧定周波数)機能により、常にクリーンな電気を医療機器へ送り続ける。

弊社が提案する可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル』(以下、PEP)は、止めるためではなく「動かし続けるため」のインフラです。

院内の“止められない系統”に電源を選択供給し、診療継続の実効性を作ります。

※サイバー攻撃など“プログラム的な防御”は別対策が必要です。『PEP』は電源側の停止要因を減らすものです。

5. 院内“止めない”チェックリスト(非推奨と推奨)

『PEP』を導入する場合でも、「クリニック全体の電気をバックアップすること」は非推奨です。
コストが膨らむ上、本当に守るべき機器への供給時間が短くなるからです。

「ここが止まると診療にならない」という重要回線だけを守る(トリアージする)のが鉄則です。

  • 電子カルテ・レセコンのサーバー(データ保護の要)
  • ルーター / ONU / スイッチ(予約・カルテを繋ぐ“道”。ここが切れると何もできません)
  • ワクチン・検体用冷蔵庫(温度逸脱の防止)
  • 自動精算機・再来受付機(ここが止まると待合室が溢れます)

6. 年度内納品をご検討の先生へ

最後に、スケジュールの共有です。
例年、1月〜3月は医療法人様や企業様からの決算対策に伴うご注文が集中し、生産・出荷スケジュールが埋まりやすい傾向があります。

『PEP』は品質保持のため、受注に合わせて検査・整備した状態で出荷しています。
今期の決算対策として、あるいは新年度に向けたリスク管理として「年度内納品」をご希望の場合は、お早めの枠確保をお勧めいたします。

※年度内納品が必須でない場合も、優先枠の確保だけ先に行う選択肢があります。

貴院の「経営リスク」を数字で見てみませんか?

「うちはもっと規模が小さいから」「テナントだから」
条件が異なれば、リスクの額も変わります。
まずは「貴院専用|業務停止損害額シミュレーション」をご依頼ください。
計算式と根拠はすべて開示します。数字を見てから、導入するか否かをご判断ください。

売り込みは一切いたしません。
必要なら“守るべき回路の優先順位”だけ一緒に整理します。

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※特典:院内“止めない”チェックリスト(PDF)を進呈中

詳細な技術情報や製品スペックは、 メーカー(慧通信技術工業)公式サイト をご確認ください。

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