トークライブ書き起こしvol.1 田中優①『電力の未来はオフグリッドしかないかも』

2018.05.12 ライブ書き起こし 管理人

【 田中 優(たなか ゆう)氏 略歴 】

1957年東京都生まれ。環境、経済、平和など様々なNGO活動に関わる。2013年に自宅の電線をカットし、電力の自給自足=オフグリッドを実現。「未来バンク事業組合」「天然住宅バンク」理事長、「日本国際ボランティアセンターJVC」理事、「ap bank」監事、「一般社団 天然住宅」共同代表。

HP:田中優の’持続する志’

ぼくは電気の専門ではないですが、電気の話で出回っているニュースが結構ウソだらけな状況だと思います。
その辺については後で粟田さんの方から紹介して頂くということで、早速ぼくの方からプレゼンテーションを始めていきたいと思います。

”電力の未来はオフグリッドしかないかも”

タイトルは「電力の未来はオフグリッドしかないかも」となっていて、いまいち決めゼリフではないのですが、そのような形になっています。

最初のスライドは、パリ協定が決まった時のCOP21の写真、その時にみんな大喜びをして環境NGOは良かったと京都議定書以来のパリ協定が決まって、これで地球温暖化は止めていけるかなというような話になったんですが、実はこのパリ協定が何でまとまることができたのかと見ていくと、二重底なんですよ。

二重底の協定で、各国が法的拘束力を受けるのは「合意」、法的拘束力を受けないのは「決定」、というように「合意」と「決定」に分かれていまして、何と各国がこれだけ二酸化炭素を減らしますよ、というのは法的拘束力がある「合意」なんですね。

ところが、それを守るかどうかについては「決定」なので、守らなくても全然法的にサンクション(社会的制裁)を受けないですね。

それ以外のところでも各国、途上国のところでも被害が出てくるから、その原因を作ったのはほとんど先進国だから、被害が出てきたところにちゃんと賠償をしましょうとか、そこに費用を流しましょうとか言うのはみんな決定事項になっていまして、「合意」ではないんですよ、法的拘束力がないんです。

だから結構これって、さすがはフランスだなと感じます。ごまかし見事でだからこれで「合意」ができたんだなぁという状況になっています。

そしてアメリカがまた色んなものを文句をつけまして、賠償責任とか、何せ地球温暖化を起こしたのは先進国の出したCO2なので、先進国が原因者なんですが、それに対する賠償については一切やらない、ということをアメリカが強引に中に入れ込んじゃったんですね。

そういうような形でかなりこれは問題あるパリ協定です。

そしてそのパリ協定ですね、これがまだ発行していないわけですね。発行するための条件というのが55か国及び世界の排出量合計の55%の国が合意した、批准した時にこれについては発行するんですが、何とそういう風に55%にしてしまうと、アメリカと中国とロシアこの3か国が拒否権を持つことになってしまうんです。

つまりその3か国の内のどれかが「オレやらないよ」と言ったらこれはつぶれちゃうんですよ、この協定。

ですので実質的にアメリカ・中国・ロシアが嫌だと言ったら、これはもう協定は発行しなくなるんです。

だからNGOが、例えば日本の大きなNGOとかがかなりこのパリ協定が出来て良かった!これで地球の未来は救われた!みたいなことを言っているんだけど、中身見ろよ、とぼくは正直言って思いますね。これでは残念ながら地球温暖化を防止することはできない、という状況の協定になっています。

そこから考えると、この地球温暖化防止というのがじゃあ今回ので楽観的になれるかというと、到底なれないですね。

経済のグローバリゼーションの光と影

さらに問題があります。さらに問題があるのは、この協定って国家同士の協定なので、国家と国家をまたがるところについては規制を受けないんですよ。例えば今、地球上で貿易がすごいですね。貿易で言うと例えばシンガポールから東京まで荷物を運んだ場合の運賃と、神戸から東京まで荷物を運んだ場合の運賃と、どっちが安いかご存知ですか?

実はシンガポールから運んだ方が安いんですよ。何でシンガポールから運んだ方が安いか?

これは国境線を超える燃料は税金がかからないんです。だから我々は今リッター100円とかでガソリンを入れているけど、その内の63円くらいが税金です。その63円が国内では税金としてとられるから荷物を運ぶと高くなるんですよ。

ところが国境線を超えて運んでくるときにはその分が全然課税されないので37%、リッター100円で言うと37円ですね、それで物を運んでくることが出来るんです。だから今のグローバリゼーションというのはこんなものトリックで、あのグローバリゼーションが成り立っているのは、国境線を超える燃料が非課税になるからです。

もし国内と同じように課税したら、アメリカ以外の国はガソリンにかなり税金をかけていまして、日本がガソリン税が高い高いと言うけどヨーロッパの方が高いですよ。

アメリカ以外の国では税金が非常に大きく掛かっているので、その結果もし国内と同じように国境線を超える輸送に税金をかけたならば、その日のうちにグローバリゼーションって終わります。だって運んだって近い方が安いもの。

それが近くじゃない遠くから運んだ方が安くなるのは、これは税金が作ったトリックなんですよ。

そのおかげでグローバリゼーションが発達してきて、実はここで農業をして何かを作った、それを東京に運ぶよりも韓国に送って韓国から東京に運んだ方が安くなるんですよ。なんでかと言うと国境線を超える燃料には税金がかからないからです。その結果経済のグローバリゼーションが成り立っているわけですね。

それは皆さんも体験したことがあるはず。例えば今2月だけど、2月にロサンゼルスに飛行機で飛んで帰ってくる、いくらかかるか知っていますか?2万円くらいですね、ロサンゼルスまで。日本国内で一番安いLCCに乗って羽田から2万円で往復するとなると、北九州くらいなんですね安い飛行機で。

じゃあ北九州の隣にロサンゼルスがあるの?ということになりますよね。実は距離と全然関係がなくて、それは国境線を超える燃料が税金がかからない、それだけのことで成り立っている仕組みなんです。

ここの部分が今どんどん増えているんです。そのせいで国内で物を運ぶよりも国境線を超えた方が得じゃないということになっていっちゃっている。

これに対処しているのは何とヨーロッパだけでして、ヨーロッパは面白いことにそれを「二酸化炭素の取引で穴埋めをしろよ」という条約というか、EUの中の協定を作っていまして、ヨーロッパではヨーロッパの上空を飛んだ飛行機には全部課税されるんですね。

それに怒り狂っていたのが何と日本政府でして、日本政府は何でお前のところ勝手に税金をとるんだよなんてことを言っていますが、これが本来あるべき姿なのに、残念ながらこのパリ協定の中には入っていない。

もう一つ巨大なものが入っていません。戦争軍事のCO2です。戦争軍事のCO2はどこの国でも全部シークレット扱いなんですよ。おかげで全然わかっていない。

どれくらいあるの?一応レスターブラウンが調べた結果では、地球全体の二酸化炭素の10%くらいだと言っているんですね。

直接の戦争・紛争で3~4%、あとそれを製造するために6%くらい使っているので、合計で10%くらいは戦争・紛争、こういったものから出されている。

これは自由なんですよ、パリ協定の対象ではない。そうするとどうなりますか?パリ協定を大喜びしてこれで地球は救われたとやっていると、戦争と貿易のおかげでみんなで滅びる、という結果を招くんですね。これだからぼくはダメだって思います。

国家に頼むのもうやめたらどう?現実にCO2を出さない暮らししちゃおうよ

じゃあどうしたら良いのかと考えると、国家に頼むのをもうやめたらどう?って思うんですね。国家とかに頼んで何とか解決してもらえるって思いこむのは、もうやめたらどう?それよりも現実に二酸化炭素を出さない暮らししちゃおうよ、それによって現実に我々解決できているんだけど、何であなた解決できないの?という風に言っていくことの方が大事じゃないかという風に思うんですね。

そして日本の中の二酸化炭素の排出についてよく言われるのは、皆さんのライフスタイルの問題だ、皆さんが努力すれば解決します、というような言い方ばかりされていますが、国内の中で家庭が出している二酸化炭素は5%だけ。

そして間接的に出しているものがあります。我々が電気を使うんだけども、発電所で出している分がある。その間接排出量を含めても16%しかないんですよ。

だから我々がそれこそ爪に火を灯すような暮らしをして、CO2をゼロにしようと努力したとしても、16%減るだけ。全然解決しないですね。

じゃあその二酸化炭素は一体どこのどいつが出しているんだということが気にかかるわけですが、ここのこいつです。

日本国内のCO2排出量の50.1%は超大口の企業から

日本の中の二酸化炭素を出しているのは、超大口の企業132事業所、これだけで50.1%。日本の中の二酸化炭素の半分を出しているのは、132か所の超大型工場だけです。だからもし地球温暖化を止めたかったら、テロリストを雇って132か所を吹っ飛ばせば半分減るという状況ですね。

そしてその中の分類でいくと一体どこが一番CO2を出す原因になっているのって見ると、発電所です。

ですからね、ここ名古屋では中部電力が問題なんですよ。地球温暖化って聞かれたら、あぁ中部電力の問題ねって思ってください。それが一番正しい理解であって、皆さんのライフスタイルを変えたってこれっぽっちも変わらないですよ。

何でかというと、例えばよく言われるのが一日一分シャワーの時間を短くしましょう、なんてことを言われるわけだけど、水はほとんどCO2に関係しない。そしてガスも大した量じゃない。そんなことをやっても解決しないんです。

解決するとしたら、発電所を何とかすること。そして132か所の大口の中に発電所が入っていますが、こういうようなところを対処することが大事だというような構図になります。

「でも我々電気を使っているよ」と思うわけですが、その電気の中で家庭や小さなお店が消費している電気の量というのは、なんと事故前、2010年が多かったので2010年でデータをとってみると、22%に過ぎないんです。家庭だけでないですよ小さな事業所も含めて。それでも22%ぽっちしかない。

じゃあどこが電気を使っているの?産業用特別高圧、業務用特別高圧、高圧線が直接工場に入っているところ、そこが消費をしていて3分の2の電気消費をしているわけです。

だからやるべき事はこの大きな工場がライフスタイルを変えるべきなんです。なのに家庭のことばかり言われているというのが現状ですね。

 

vol.2 田中優②『電力の小売り自由化と家庭のエネルギー消費』 >>>

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