『エコワンソーラー』とは

2025.06.27 エコワンソーラー ブログ 管理人

「エコワンソーラー」は、リンナイが提供するハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE(エコワン)」に、太陽光発電システムを連携させた、次世代型の給湯システムです。従来の給湯器と比較して、高い省エネ性と災害時の対応力を兼ね備えている点が大きな特徴です。

 1.エコワンソーラーの基本的な仕組み

エコワンソーラーは、以下の主要な要素が連携して動作するシステムです。

 * ハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE」:

   エコワンは、ガス給湯器とヒートポンプ(電気)を組み合わせたハイブリッド型の給湯システムです。通常、家庭で消費されるエネルギーの約半分を占める給湯・暖房において、それぞれのエネルギー源の長所を最大限に活かし、効率的にお湯を供給します。

   * ヒートポンプ: 空気中の熱を取り込んでお湯を沸かすため、少ない電気で効率よくお湯を作ることができます。主に日常的な給湯や床暖房の定常運転に使用されます。

   * ガス給湯器(エコジョーズ): 高効率のガス燃焼により、急速な湯沸かしや大量の給湯、床暖房の立ち上がりなど、パワフルな運転が求められる場面で活躍します。

     この二つの機能を自動で最適に切り替えることで、高い省エネ性を実現します。

 * 太陽光発電システム:

   屋根などに設置された太陽光パネルで発電した電気を、家庭内で消費します。エコワンソーラーでは、この太陽光発電の余剰電力を積極的に給湯に活用することが最大のポイントです。

 * オフグリッド技術・制御システム:

   エコワンソーラーの肝となるのが、このオフグリッド技術と高度な制御システムです。

   * PV活用モード(前倒し沸き上げ制御): 太陽光発電による電力買取単価が下落している現代において、発電した電気を売電するよりも自家消費する方が経済的メリットが高いとされています。エコワンソーラーは、日中の太陽光発電の余剰電力を検知し、その電力を優先的に使ってお湯を沸き上げ、貯湯タンクに蓄えます。この際、通常よりも高い温度で沸き上げることで、より多くの熱エネルギーを蓄えることが可能です。

   * 天気予報連携: 最新のエコワンソーラーは、天気予報と連携し、晴れの日には太陽光発電を最大限に活用した「前倒し沸き上げ制御」を、曇りや雨の日には給湯需要を学習した「低温沸き上げ制御」を行うなど、より賢く、効率的な運転を自動で行います。

   * 停電対策ユニット(APF): オフグリッド型給湯システムとしての機能を持たせるため、特定のモデルでは停電対策ユニット(APF)を搭載しています。これにより、停電時でも冷蔵庫、トイレ、給湯器といった最低限の生活に必要な設備に電力を供給し続けることが可能になります。太陽光発電や、場合によっては電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)からの電力も活用できる仕組みが検討されています。

 2.エコワンソーラーのメリット

エコワンソーラーには、多岐にわたるメリットがあります。

 * 圧倒的な光熱費削減効果:

   * 高効率なハイブリッド運転: ガスと電気のそれぞれの長所を組み合わせることで、従来のガス給湯器やエコキュート単体よりも高いエネルギー効率を実現し、給湯にかかる光熱費を大幅に削減します。

   * 太陽光発電の自家消費: 日中の太陽光発電の余剰電力を給湯に利用することで、電力会社から電気を購入する量を減らし、電気代を削減します。売電収入に頼るのではなく、自家消費を促すことで、より確実な経済効果が期待できます。リンナイの試算では、従来型ガス給湯器と比較して年間約6.8万円、エコジョーズと比較しても年間約5.6万円の光熱費削減が見込めるとされています。

   * ZEH(ゼロエネルギーハウス)への貢献: 家庭の一次エネルギー消費量の大部分を占める給湯・暖房の効率を最大化することで、ZEHの実現にも大きく貢献します。

 * 災害時の安心感:

   * 2つのライフラインの活用: 電気とガスという異なるエネルギー源を利用するため、どちらか一方が停止しても、もう一方のエネルギー源で給湯を継続できる可能性が高まります。

   * 停電時の給湯・電力供給: 停電対策ユニット(APF)が搭載されているモデルでは、停電時でも太陽光発電の自立運転機能を利用してガスでお湯を供給したり、蓄電池と連携して給湯器や冷蔵庫、トイレなどに電力を供給したりすることが可能です。断水時にもタンク内の水を生活用水として利用できる非常用取水栓が備わっています。

   * ポータブル電源との連携: ポータブル電源と接続することで、停電時にもお湯を沸かすことが可能になります。

 * 環境負荷の低減:

   * CO2排出量の大幅削減: 高効率な給湯システムにより、エネルギー消費量を抑制し、それに伴うCO2排出量も大幅に削減します。地球温暖化対策に貢献できるシステムです。

   * 再生可能エネルギーの有効活用: 太陽光発電によるクリーンなエネルギーを自家消費することで、持続可能な社会の実現に貢献します。

 * 快適な給湯・暖房:

   * 湯切れの心配がない: 貯湯式のヒートポンプと瞬間式のガス給湯器の組み合わせにより、大量のお湯を必要とする場合でも湯切れの心配がほとんどありません。

   * 床暖房との相性: 床暖房を使用する際も、立ち上がりはガスで素早く暖め、定常運転はヒートポンプで効率的に維持するなど、快適性と省エネ性を両立します。

 * 補助金の活用:

   「給湯省エネ事業」などの国の補助金制度の対象となることが多く、導入費用の一部を補助金で賄える可能性があります。これにより、初期費用の負担を軽減し、導入を促進します。

 3.エコワンソーラーのデメリットと考慮事項

一方で、エコワンソーラーにはいくつかのデメリットや導入を検討する上での注意点も存在します。

 * 導入費用が高め:

   一般的なガス給湯器やエコキュートと比較して、エコワンソーラーはシステムの構成が複雑であり、導入費用が高額になる傾向があります。ただし、長期的な光熱費削減効果や災害時のメリットを考慮すると、費用対効果は高いと評価できる場合が多いです。

 * 設置スペースの確保:

   ヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、ガス熱源機など、複数の機器で構成されるため、ある程度の設置スペースが必要です。特に貯湯タンクは容量が大きいため、設置場所の検討が重要になります。

 * 電気とガスの両方の契約が必要:

   ハイブリッドシステムであるため、電気とガスの両方のライフライン契約が必要となります。これはオール電化住宅からの切り替えを検討している場合などに、考慮すべき点となります。

 * 光熱費削減効果は家庭によって異なる:

   もともと光熱費が安い家庭や、お湯の使用量が少ない家庭では、導入による光熱費削減効果を実感しにくい場合があります。プロパンガスを使用している家庭や、家族の人数が多くお湯の使用量が多い家庭ほど、高い削減効果が期待できます。

 * メンテナンス:

   長期間にわたって安定して稼働させるためには、定期的なメンテナンスが必要です。貯湯タンクの排水やストレーナーの清掃など、ユーザー自身で行える簡単なメンテナンスと、専門業者による定期点検の両方が重要になります。

 * 寿命:

   エコワンの寿命は一般的に10年程度が目安とされています。機器の故障や不具合が生じた場合は、修理や交換が必要になります。

 4.導入を検討する際のポイント

エコワンソーラーの導入を検討する際には、以下の点を考慮することが重要です。

 * 家族構成とライフスタイル: 家族の人数、お湯の使用量、在宅時間など、ライフスタイルによって光熱費削減効果は大きく変わります。

 * 現在の光熱費: プロパンガスを使用しているか、都市ガスか、電気料金プランなど、現在の光熱費が高いほど、導入メリットは大きくなります。

 * 太陽光発電の有無と発電量: 既に太陽光発電を導入しているか、または導入を検討している場合、その発電量を考慮することで、より正確な経済効果を予測できます。

 * 設置スペースの確保: 機器の設置に必要なスペースがあるかを確認します。

 * 初期費用と補助金: 導入費用と利用可能な補助金を考慮し、長期的な費用対効果を試算します。

 * 災害対策への意識: 災害時の安心感を重視するかどうか。

 * 信頼できる施工業者の選定: 複雑なシステムであるため、豊富な実績と専門知識を持つ施工業者を選ぶことが重要です。

 5.最新技術と今後の展望

エコワンソーラーは、気象情報との連携やオフグリッド技術の進化など、常に新しい技術を取り入れています。今後は、V2H(Vehicle to Home)システムとの連携も進み、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーを家庭の電源として活用する動きも加速していく可能性があります。

エネルギーの自家消費、省エネ、そして災害対策といった現代の住宅に求められる要素を高いレベルで満たすエコワンソーラーは、環境意識の高まりとともに、今後ますます注目される給湯システムとなるでしょう。

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