牧之原市 榛原総合病院で発生した大規模停電について
これは対岸の火事と言えるでしょうか?
一昨日(7月23日)静岡県牧之原市にある榛原総合病院で発生した大規模停電は、昨日(7月24日)未明には復旧したとのことです。
・空調が使えない
・一部の医療機器が使えない
・約200人の外来診療や検査を取り止め
・予定していた手術も取り止め
・救急外来の受け入れも中止
など、酷暑の中、総合病院が果たすべき本来の業務はほぼ行う事ができなかったようです。
・非常用電源(発電機など)を使って停電は一時的に解消されたが、その後再び停電
非常用電源はその名の通り常用電源ではない為、日々メンテナンスを怠らずお世話をしない限り望まれた能力は発揮されません。
また、一時的な電力供給のみに限定されるため、燃料の供給を行わない限り72時間連続して稼働する非常用電源は国内では販売されておりません。
そして、停電の原因はやはり受電設備の老朽化だったようです。
電力会社より電力を受電する設備は、需要家(電力を使用する側)においてメンテナンスする義務があり、その故障により送配電網に損害を与えた場合(波及停電など)は、多額の損害賠償が発生する場合があります。
また病棟の設備自体が老朽化し、非常用の電源すら使えず入院患者約40人を別病棟へ移したとの報道もあります。
特筆すべきは、この榛原総合病院が牧之原市と「災害時における医療救護活動に使用する輸液等備蓄に関する協定」を結んだ静岡県初の施設であること。
毎年更新されるこの協定は、まだ継続中であれば、通常の診療分以外に常時1000個の輸液パックを購入し保管しているはずで、さてこの停電でどうなったんでしょうか。これはワクチンも然りです。
協定締結当時の副市長は「明日は我が身。他人事ではありません。」と熊本地震に職員を派遣されたそうですが、完全に市民の安心・安全を脅かす結果を招いてしまいました。
東日本大震災から13年、BCP対策や電源(停電)対策は、他責ではなく我々自身が自律して考え対応するほか無いと思います。