エコキュートは本当にお得?徹底解説!

2025.07.16 エコキュート 給湯器 おひさまエコキュート ブログ 管理人

マイホームの購入やリフォームを考えるとき、多くの人が頭を悩ませるのが給湯器選び。「エコキュートは光熱費が安くなるって聞くけど、本当にお得なの?」そんな疑問を抱える夢のマイホームをお考えの方、そして給湯器の買い替え時期が迫る築10年前後の戸建てにお住まいの皆さまへ、エコキュートの真価を徹底的に解説します。

結論から言うと、エコキュートは初期費用こそ高額ですが、長期的に見れば多くの家庭で「お得」になる可能性が非常に高い給湯システムです。しかし、その恩恵を最大限に受けるためには、メリット・デメリットを正しく理解し、ご自身のライフスタイルに合った製品を選ぶことが不可欠です。

本記事では、エコキュートの仕組みから、具体的なコスト比較、ターゲット別の導入ポイント、そして後悔しないための選び方まで、専門的な視点も交えながら、わかりやすく掘り下げていきます。

 1.エコキュートの基本:なぜ「お得」が生まれるのか?

まず、エコキュートがなぜお得と言われるのか、その心臓部であるヒートポンプ技術と深夜電力の活用という2つのキーワードから紐解いていきましょう。

1.1. 空気の熱でお湯を沸かす「ヒートポンプ技術」

エコキュートは、エアコンにも利用されている「ヒートポンプ技術」を使ってお湯を沸かします。これは、屋外の空気中に存在する熱(大気熱)をヒートポンプユニットが取り込み、その熱を「自然冷媒(CO2)」に集めて圧縮することで高温にし、その熱で水を温める仕組みです。

重要なのは、電気エネルギーだけを使ってお湯を沸かすのではなく、空気の熱という自然エネルギーを効率よく利用する点にあります。投入した電気エネルギーに対して、どれだけの熱エネルギーを生み出せたかを示す指標を**COP(エネルギー消費効率)**と呼びます。

 * 電気温水器:ヒーターで直接水を温めるため、投入した電気エネルギー1に対して、生み出せる熱エネルギーは1(COP≒1)。

 * エコキュート:空気の熱を利用するため、投入した電気エネルギー1に対して、3〜6倍もの熱エネルギーを生み出すことができます(COP≒3〜6)。

つまり、エコキュートは電気温水器に比べて3分の1から6分の1の電気量で同じ量のお湯を沸かすことができる、非常に省エネ性能の高い給湯器なのです。これが、ランニングコストを大幅に削減できる最大の理由です。

1.2. 賢い電力活用:「深夜電力プラン」との最強タッグ

エコキュートのもう一つの特徴は、お湯を貯めておく貯湯タンクを持つことです。この貯湯タンクがあるおかげで、電力会社の提供する**「深夜電力プラン(オール電化向けプラン)」**を最大限に活用できます。

深夜電力プランは、電力需要が少ない夜間(例:23時~翌7時)の電気料金単価を安く設定し、逆に昼間の単価を割高に設定しているのが特徴です。エコキュートは、この電気料金が安い深夜のうちに1日分のお湯をまとめて沸き上げてタンクに貯めておくため、給湯にかかる電気代を劇的に抑えることができるのです。

| 時間帯 | 深夜電力プラン(例) | 従来プラン(例) |

| 昼間 | 35円/kWh | 28円/kWh |

| 夜間 | 18円/kWh | 28円/kWh |

※料金単価は電力会社やプランにより異なります。

このように、「高効率なヒートポンプ技術」と「割安な深夜電力の活用」という2つの相乗効果によって、エコキュートはガス給湯器や電気温水器と比較して圧倒的なランニングコストの安さを実現しています。

 2.メリット vs デメリット:後悔しないための全方位チェック

エコキュート導入を成功させるには、メリットだけでなく、デメリットもしっかりと把握し、対策を考えることが重要です。

2.1. エコキュートの絶大なメリット 🌿

 * 圧倒的なランニングコストの安さ:前述の通り、ガス給湯器(特にプロパンガス)や電気温水器と比較して、月々の給湯コストを大幅に削減できます。家族構成や使用湯量にもよりますが、年間で5万円以上の節約になるケースも珍しくありません。

 * 環境に優しい(エコ):ヒートポンプ技術により、電力消費とそれに伴うCO2排出量を大幅に削減できます。環境貢献という観点でも、非常に価値のある選択です。

 * 災害時の安心感(非常用水):断水時には、貯湯タンク内の水を生活用水として利用できます。370Lのタンクであれば、大人2人分の約3日間の生活用水を確保できると言われており、これは大きな安心材料です。

 * 火を使わない安全性:オール電化住宅に共通するメリットですが、火を使わないため、火災のリスクが低減します。小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭でも安心です。

 * 太陽光発電との相性抜群:太陽光発電を設置している(または検討している)ご家庭では、昼間に発電した電気でお湯を沸かす「おひさまエコキュート」などの連携機能を使えば、電力会社から電気を買う量をさらに減らし、自家消費率を高めることができます。これにより、電気代のさらなる削減が期待できます。

 * 補助金制度の活用:国や自治体は、省エネ性能の高いエコキュートの普及を促進するため、補助金制度を設けています。2025年度も「給湯省エネ2025事業」などが継続される見込みで、高性能な機種では最大20万円以上の補助を受けられる可能性もあり、初期費用の負担を大きく軽減できます。

2.2. 導入前に知るべきデメリットと対策 😥

 * 高い初期費用(イニシャルコスト):エコキュート最大のデメリットは、本体価格と設置工事費を合わせた初期費用が高額な点です。

   * ガス給湯器:15万円~35万円程度

   * エコキュート:40万円~70万円程度(機種や工事内容による)

     この差額を、ランニングコストの削減分で何年で回収できるか(=元を取る)が、導入判断の重要なポイントになります。一般的に5年~10年で元が取れるケースが多いですが、補助金の活用や、プロパンガスからの切り替えなど、条件によってはさらに短期間での回収も可能です。

 * 設置スペースの確保が必要:エコキュートは、ヒートポンプユニット(室外機)と貯湯タンクユニットの2つを設置するスペースが必要です。特に貯湯タンクは比較的サイズが大きく、設置場所にはコンクリートの基礎工事も必要になるため、ある程度の広さが求められます。薄型やコンパクトタイプもありますが、導入前に必ず設置場所の採寸と確認が必要です。

 * 運転音への配慮:ヒートポンプユニットは、深夜に「ブーン」という低周波の運転音を発します。その音量はエアコンの室外機と同程度(約40dB前後)とされていますが、静かな夜間には響きやすく、設置場所によってはご自身の寝室や隣家との騒音トラブルに発展する可能性があります。寝室の近くや、隣家の窓の正面などを避けて設置する配慮が不可欠です。

 * 湯切れのリスク:エコキュートは貯湯式のため、来客などで一度に大量のお湯を使うと、タンクのお湯がなくなり「湯切れ」を起こす可能性があります。湯切れした場合、昼間の割高な電気で沸き増しすることになり、経済的なメリットが薄れてしまいます。家族構成やライフスタイルに合った適切なタンク容量を選ぶことが非常に重要です。

 * 水圧の問題:従来のガス給湯器(水道直圧式)に比べ、エコキュート(貯湯式)は水圧がやや弱くなる傾向がありました。しかし、近年のモデルでは「高圧力タイプ」が主流となっており、2階や3階でのシャワーでも快適な水圧を確保できるようになっています。水圧にこだわる方は、高圧力タイプを選ぶようにしましょう。

 3.【ターゲット別】エコキュート導入の最適な進め方

ここでは、住宅の一次取得者層と築10年前後の戸建て住まい層、それぞれの立場に合わせたエコキュート導入のポイントを解説します。

3.1. 住宅の一次取得者層(新築・建売)へ

新築時にエコキュートを導入するのは、最もメリットが大きいタイミングと言えます。

 * 設計段階での最適な配置:間取りや配管の計画段階からエコキュートの設置を前提にできるため、騒音やメンテナンス性を考慮した最適な場所に、無理なく設置できます。また、住宅の断熱性や気密性を高めることで、エコキュートの効率をさらに引き上げることができます。

 * 住宅ローンへの組み込み:初期費用がネックになりがちなエコキュートですが、新築時であれば住宅ローンに組み込むことができます。これにより、初期の自己資金負担を抑えながら、月々の返済に含める形で導入が可能です。

 * 将来を見据えた容量選定:これから家族が増えることを見越して、少し余裕のあるタンク容量を選ぶことが重要です。例えば、現在は夫婦2人でも、将来的に子供が2人増える計画なら、迷わず4~5人用の460Lクラスを選びましょう。目先の価格差で小さい容量を選ぶと、数年後に湯切れに悩まされ、後悔することになります。

 * オール電化住宅としてのトータルメリット:新築でエコキュートを導入する場合、IHクッキングヒーターも合わせて採用し、オール電化住宅にするケースが一般的です。これにより、ガス基本料金が不要になり、光熱費を電気に一本化できます。家全体のエネルギーコストを管理しやすくなる点も大きなメリットです。

3.2. 築10年前後の戸建て住まい層(買い替え・リフォーム)へ

築10年を過ぎると、多くの場合でガス給湯器や電気温水器が寿命を迎え、交換時期に差し掛かります。このタイミングは、エコキュートへの切り替えを検討する絶好の機会です。

 * 買い替えのベストタイミング:一般的に給湯器の寿命は10年~15年と言われています。「お湯の温度が安定しない」「異音がする」「エラーが頻繁に出る」といったサインが見られたら、完全に故障して慌てる前に、計画的にエコキュートへの買い替えを検討しましょう。特に冬場に故障すると、お湯が使えない期間が発生し、生活に大きな支障をきたします。

 * 光熱費削減効果のシミュレーション:現在お使いのガス会社(特にプロパンガスは単価が高いため効果大)や電力会社の検針票を用意し、エコキュート導入後のランニングコストがどれだけ安くなるか、専門業者にシミュレーションしてもらいましょう。具体的な削減額が分かれば、初期費用回収の見通しが立ち、導入の決断がしやすくなります。

 * 設置場所の入念な確認:新築時とは異なり、設置スペースが限られている場合が多いため、既存の給湯器の場所にエコキュートが収まるか、専門家による現地調査が不可欠です。搬入経路の確保も忘れてはいけません。

 * 補助金制度の積極的な活用:買い替え・リフォームの場合、国や自治体の補助金制度を積極的に活用しましょう。最新の補助金情報は、経済産業省の特設ページや、施工業者のウェブサイトで確認できます。申請手続きは業者が代行してくれる場合が多いので、積極的に相談してみましょう。特に、既存の電気温水器や蓄熱暖房機を撤去してエコキュートを設置する場合、加算補助の対象となるケースがあり、非常にお得です。

 4.後悔しないエコキュートの選び方:3つの重要ポイント

数あるエコキュートの中から、ご家庭に最適な一台を選ぶためのポイントを3つご紹介します。

4.1. ポイント①:タンク容量は「少し大きめ」が鉄則

前述の通り、湯切れを防ぐためにタンク容量の選定は最も重要です。以下の目安を参考にしつつ、迷ったら一つ大きいサイズを選ぶのが後悔しないコツです。

| 家族構成 | おすすめのタンク容量 |

| 2~3人 | 370L |

| 4~5人 | 460L |

| 5人以上 | 550L~ |

特に、部活動をしているお子様がいる、シャワーを頻繁に使う、週末に来客が多いなど、お湯の使用量が多いご家庭は、余裕を持った容量を選びましょう。

4.2. ポイント②:機能で選ぶ(フルオート vs オート)

エコキュートには、主に「フルオート」「オート」「給湯専用」の3つのタイプがあります。主流は、最も高機能なフルオートタイプです。

 * フルオートタイプ:スイッチ一つで「お湯はり」「保温」「たし湯」まで全て自動で行います。浴槽のお湯が減ったり、ぬるくなったりすると自動で調整してくれるため、非常に快適です。追いだき機能も搭載しています。

 * オートタイプ:「お湯はり」は自動ですが、「保温」や「たし湯」は手動で行う必要があります。追いだきはできません。

 * 給湯専用タイプ:蛇口からお湯を出すだけのシンプルな機能です。

価格はフルオートが最も高価ですが、その利便性と快適性は価格差を補って余りあるものです。特別な理由がなければ、フルオートタイプを選ぶことを強く推奨します。

4.3. ポイント③:メーカーごとの特徴を比較する

パナソニック、三菱電機、ダイキン、コロナなど、主要メーカーはそれぞれに特色のある機能を搭載しています。

 * パナソニック:「エコナビ」機能による省エネ性能の高さや、温浴効果を高める「温浴セレクト」が人気。

 * 三菱電機:微細な泡で入浴効果を高める「ホットあわー」や、配管を清潔に保つ「バブルおそうじ」など、快適性と清潔機能に定評があります。

 * ダイキン:高圧給湯に強く、パワフルなシャワーを実現。耐久性の高さも魅力です。

 * コロナ:世界で初めてエコキュートを開発したパイオニア。幅広いラインナップとコストパフォーマンスの良さが特徴です。

入浴剤の使用可否、井戸水対応、スマホ連携(IoT)機能など、ご自身のこだわりたいポイントと各メーカーの特徴を比較検討し、最適な一台を見つけましょう。

 5.まとめ:エコキュートは、未来の暮らしへの賢い投資

さて、長きにわたりエコキュートの魅力と注意点を解説してきましたが、最初の問い「エコキュートは本当にお得なの?」に対する答えを改めてまとめます。

エコキュートは、高い初期費用というハードルはあるものの、それを乗り越えるだけの価値がある、非常にコストパフォーマンスに優れた給湯システムです。

 * 経済性:月々のランニングコストを大幅に削減し、長期的に見れば初期費用を十分に回収できる。

 * 快適性:高機能なフルオートタイプなら、毎日のバスタイムがより快適になる。

 * 環境性:CO2排出量を削減し、地球環境に貢献できる。

 * 防災性:災害時の非常用水として、家族の安心を守ってくれる。

特に、これからマイホームを建てる一次取得者層にとっては、将来の家計と地球環境を見据えた最適な選択肢の一つです。また、給湯器の寿命が近づいている築10年前後のご家庭にとっては、光熱費を劇的に見直す千載一遇のチャンスと言えるでしょう。

もちろん、湯切れのリスクや設置スペース、運転音といったデメリットも存在します。しかし、これらは適切な容量・機種を選び、信頼できる業者に相談することで、ほとんどが解決可能な問題です。

エコキュートへの投資は、単なる設備の購入ではありません。それは、日々の暮らしの快適性を高め、家計の負担を軽くし、さらには未来の地球環境にも配慮する**「賢い投資」**です。この機会に、ご自身のライフスタイルと照らし合わせながら、エコキュートのある暮らしを具体的に検討してみてはいかがでしょうか。

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