太陽光発電の選び方-法人の自家消費・PPAから家庭用まで
2025.08.30 省エネ・電気代削減 太陽光発電 管理人
太陽光発電の選び方
企業の自家消費・オフサイトPPAからご家庭の屋根設置まで。
本記事は、「発電量」・「機器選定」・「見積比較」・「施工品質」・「保守運用」を ひとつの流れで解説する実務ガイドです。結論はシンプル。成果は「設計」と「施工」で決まります。
まずは要件整理から──詳しい製品・導入方法は 固定ページ「太陽光発電」も併せてご覧ください。
結論――太陽光発電は「設計」と「施工」で成果が決まる
同じ容量・同じ見積金額でも、設計思想と施工品質で「発電量・寿命・安全性・運用コスト」は大きく変わります。 重要なのは、屋根や敷地の条件・電気設備・需要電力のプロファイルを正しく読み解き、最適な機器を正しく据え付けること。 本記事ではBtoB/BtoC双方で押さえるべき判断軸を整理し、チェックリストと比較表で実務に落とし込みます。
【法人】自家消費・PPAのための「6つの判断軸」
1) 需要電力プロファイル(kW・kWh)の理解
まずは30分需要電力量と最大需要電力(デマンド)の時系列データを確認します。 昼間の負荷が厚いなら自家消費向き、休日や夜間偏重なら蓄電池/運用の工夫とセットで検討が必要です。
- 平日/休日/季節での需要差は?(ピークの時間帯・幅)
- 力率・無効電力は問題ないか(高調波対策含む)
- 営業・生産の増減計画(将来の拡張余地)
2) 屋根・敷地・受変電設備の適合性
屋根材(折板・瓦・スレート等)と勾配、方位・周辺遮蔽物、耐風・耐雪条件、盤・キュービクルの空き容量を総合評価。 架台は風荷重・地震に対するアンカー設計、配線経路の安全が肝です。
3) 系統連系・保安(法令・協議)
電力会社協議、電気事業法・消防法・建築基準法の適合、保安管理体制を事前に設計へ織り込みます。 自家消費における逆潮流許可や抑制条件、保護継電器の設定などは、後戻りコストが大きい領域です。
4) CAPEX/OPEXとIRR――「数字」で意思決定
5) 施工品質――「目に見えない」部分に差が出る
- 屋根への固定:母屋・根太位置、座屈/剥離対策、防水ディテール
- 配線:曲げR・固定ピッチ・エッジ保護・UV/耐候・結束金具の選定
- 接地・雷保護・落雷対策、PCSの熱設計と換気
6) 運用・保守(O&M)と遠隔監視
発電量監視は“見える化”だけでは不十分。閾値設定・異常検知・通知フローまで設計し、 点検・モジュール洗浄・除草などの定期業務も契約に落とします。
【個人】家庭用太陽光発電は「屋根×暮らし方」で決める
1) 屋根条件の把握
方位(南>東西>北)・勾配・面積、周辺の影。近年は量産単結晶の高効率化で東西面でも十分な効果が期待できます。 影の影響が大きい場合は、MPPT分割・パワーオプティマイザ等で回避を検討。
2) 機器と保証
- パネル:変換効率・温度係数・出力保証(25年程度)
- パワコン:定格・回路数・騒音・保証(10年~15年)
- 架台・防水:屋根材に適した工法と保証
3) 蓄電池・HEMSとの連携
停電対策/電気代削減の両立には、系統連系のモード設計が要です。 太陽光ページ(こちら)では独立電源や非常用と組み合わせた提案も解説しています。
4) 見積比較の見るポイント
項目 | チェック観点 |
---|---|
kW単価 | 工事含む総額/kWで比較。安すぎは要注意(除外費用の有無)。 |
工法 | 屋根材に適合する固定方法か。防水ディテールの明記。 |
電気工事 | 配線ルート、盤内改修、保護継電器の仕様明記。 |
保証 | 製品/出力/工事の各保証。瑕疵担保の有無。 |
スケジュール | 連系申請~工事~検査~運転開始の実日程。 |
ありがちな誤解と落とし穴
「一番安い見積=最適」ではない
価格差の正体は、工事範囲・材料品質・保証・保守に表れます。
例:配線が屋根上で露出し、数年で被覆劣化→短絡・発火リスク。見えない部分にこそコストを適切に配分すべきです。
発電量の“机上推定”だけを信じない
実績シミュレーションは重要ですが、影・温度上昇・汚れなどのロス設計が欠けると乖離が生まれます。 現地調査の密度で精度が決まります。
「付けたら終わり」ではない
太陽光発電は運用設備。年次点検・洗浄・除草・遠隔監視・障害対応まで設計に含めましょう。
要件から逆算する設計の考え方
ケースA:工場(昼間ピークが厚い)
- 負荷追従型の容量設定で自家消費比率を最大化
- 高温環境を想定したPCS設置(換気/遮熱)
- O&M:遠隔監視+年次点検+除草を定額化
ケースB:商業施設(休日の来客が多い)
- 休日の昼間ピークに寄せた容量・回路設計
- 駐車場上にカーポート型で日陰価値も演出
- BCP観点で非常用と連携(冷蔵・POS維持)
ケースC:戸建て(オール電化・子育て世帯)
- 東西メインでもOK。朝夕の使用に寄り添う
- 停電対策:非常用コンセント/蓄電池の併用
- HEMSで使用量の見える化→省エネ行動促進
太陽光発電-よくある質問
Q1. 何kW載せれば良い?
企業は昼間の最小負荷を目安に自家消費優先で検討します。家庭用は電気代削減と停電対策を両立できる容量が目安。
Q2. 影が多いのですが?
MPPT分割・最適化機器・架台高さで回避余地あり。影シミュレーションを必ず実施しましょう。
Q3. メンテは必要?
はい。年次点検・監視・清掃・除草は発電量と安全性を守る投資です。契約に含めるのがベストです。