チョコ系メーカーの瞬停対策|テンパリングを止めずにライン継続する“長時間バックアップ電源(可搬式)”
2025.09.16 菓子製造 チョコレート 停電対策・BCP 管理人
チョコ系メーカーの瞬停対策|テンパリングを止めずにライン継続する“長時間バックアップ電源(可搬式)”
あなたの3時の幸せ、働く人たちの小さな安らぎを止めないために。
チョコ製造では、テンパリング・撹拌・コーティング・印字・検査といった工程が一瞬の停電(瞬停)で途切れると、仕掛の廃棄や再立ち上げの段取りで甚大なロスが発生します。さらに、年1回の法定点検や、まれに起きる復電時トラブルも見逃せません。
本記事が提案するのは、据置工事の制約を超えて必要な場所へ“コロコロ”と引いて行ける、キャスター一体型・伸縮ハンドル付きの「持ち運べる長時間バックアップ電源(UPS)」による“点守り”設計。
ブランド言及について:本文では生活者価値の文脈上、ブラックサンダー(有楽製菓)などのチョコ菓子にも触れますが、提携・後援・保証を意味するものではありません。本記事は製造現場の停電対策に関する一般的な知見の共有です。
“胃袋とココロ”を守る供給責任
有楽製菓・河合辰信社長のメッセージには、夢のあじ
を大切にし、遊び心を持ったすべての人たち
のオナカとココロを満たす、という理念が添えられています。(出典:有楽製菓「社長メッセージ」)
私たちが現場で提供する“長時間バックアップ電源”は、その理念を供給の連続性で支える基盤です。テンパリングの温度プロファイルは「温度の階段」。ここが崩れると結晶が乱れ、艶・食感・口溶けといった品質の核が損なわれます。
だからこそ、瞬停・計画停電・復電時の突入や誤作動に対して、止めない・守る・滑らかに戻すという3点を一体で設計し、結果として“胃袋とココロ”を守ることが、ブランド価値の維持・向上へとつながります。
可搬型大容量UPS「パーソナルエナジー・ポータブル」とは?
本製品は大容量バッテリー+高性能双方向インバータを搭載したUPSの一種で、無瞬停と長時間の連続給電、そして可搬性を両立しています。さらにCVCF(定電圧・定周波数)を標準搭載し、電圧・周波数変動に敏感な機器でも安定運用が可能です。
本体底面の大型キャスターと伸縮式ハンドルにより、まるで旅行鞄のように“コロコロ”と引いて工程間を安全に移動できます。
据置型UPSや発電機ではカバーしきれない末端機器(温調・撹拌・制御盤・可視化カメラ・照明・ラベラー・計量器・プリンタ・PoEスイッチ等)を、長時間ひとかたまりで守るのに最適です。
期待できること
- テンパリング中の瞬停吸収 → バッチ廃棄の回避
- 印字・検査・選別の継続 → ロットやり直しの回避
- 計画停電時の連続運転 → 段取り短縮/人員の再配置最適化
- 復電時の立ち上げ安定 → 誤作動/サージへの耐性向上
留意点(誠実に)
- 連続給電時間は負荷(W)×必要時間(h)で決まります。優先保護機器の洗い出しが重要です。
- 瞬停に極端に弱い制御機器も、CVCF(定電圧・定周波数)標準搭載の本製品で安定化が期待できます(個別機器の特性により現場検証を推奨)。
“回避価値”で見る費用対効果
回避価値/回 = 品質ロス(仕掛/原料廃棄)+ 再立ち上げ(洗浄・温調・段取り)+ 失われた生産粗利 +遅延/違約コスト。
損益分岐の目安(回数) = 2,300,000(税別) ÷ 回避価値/回。
例:回避価値が1,460,000円/回なら、年2回のトラブル回避で回収イメージ。
まずは「守る順番」を決め、対象機器と必要時間からサイズ最適化するのがコツです。
設計の考え方:負荷と時間から“逆算”する
可搬式の長時間バックアップ電源は、「全部を賄う」ではなく「守る順」で設計するのが定石です。まずは停電時に止まってはいけない工程を3段階に分けます。
優先度A(最優先:止まると致命傷)
- テンパリング関連(温調・撹拌・制御盤)
- 品質担保の末端(カメラ・照明・選別・検査)
- トレーサビリティの要(印字・ラベラー・計量)
優先度B(重要:止まると再立上げに時間)
- 搬送・コンベヤの一部、監視用PoEスイッチ
- 現場端末・ラベルプリンタ・小型PC
優先度C(余力:止まっても代替が利く)
- 照明の一部、サポート用周辺機器
次に、A→B→Cの順に負荷(W)×必要時間(h)を積み上げ、必要な連続給電時間を決めます。可搬式の強みは、必要な時に必要な場所へ“コロコロ”寄せられる点守りです。無理に一台で全体最適を狙わず、複数台・分散配置のほうが冗長性も上がります。
現場でよくある“ワット数”目安
- ラベラー/小型プリンタ:80〜200W
- 検査カメラ+照明:60〜180W(台数により変動)
- 小型PC/制御用ミニサーバ:120〜250W
- PoEスイッチ(8〜16ポート):40〜120W
これらをA群から合算し、必要時間×合計Wで容量の当たりをつけるのが第一歩です。微妙なラインは、短期の仮設テスト(実地)で体感しながら詰めます。
安全動線・復旧設計:可搬ならではの運用ルール
- 動線の確保:キャスター移動の通路幅・段差対策を現場図で明示
- 保管と充電:定位置/満充電ルールと点検サイクルを台帳化
- 復電時の手順:順次投入(ブレーカ/機器)フローを「図」で常設
- 教育:年1回の法定点検前に5分ミニ訓練(停電・復電の手順確認)
これらの運用は設備投資の効果を最大化する“最後の一押し”です。可搬+運用テンプレで、計画停電にも想定外の瞬停にも強い現場をつくれます。
導入事例①:24時間受発注を止めない(菓子・パン製造)

背景と課題
- 全国の取引先から24時間注文が入るため、FAX/サーバ/ネットワークが止まると即停止。
- 生産側でも温調・印字・検査など末端機器の瞬停が品質ロスを誘発。
導入の決め手
- 長時間の無停電運用で受注業務を継続
- キャスター一体型でレイアウト変更や点検時の移動が容易・安全
- 「守る工程」を優先順位化した点守りアーキテクチャ
効果
- 停電中も無瞬断で長時間対応が可能
- 社内ルール化により復旧判断が迅速(運用で補完)
- 移動の容易さと安全性(避難・整備時も柔軟)
関連事例②:地下街の計画停電・復電対策(名古屋駅エスカ)

背景と課題
- 法定点検で最大6時間の計画停電。案内・電話・ネットが止まると影響が大きい。
- 復電時の突入や誤作動で電子機器の不具合が懸念。
導入の狙いと効果
- 点検時の無人化・無停止運用に寄与(電話対応/案内の省力化)
- 停電中の連続インフラ維持(電話/インターネット等)
- 復電時の機器保護(“滑らかに戻す”設計で安定立ち上げ)
→ 業種は異なっても、「停電イベントに備え、復電時も含めて守る」という考え方はチョコ工場と同質です。
導入の進め方(失敗しない手順)
1)クリティカル工程の特定
温調・撹拌・制御・印字・検査など、止まると致命傷の工程を洗い出し、優先順位を付けます。
2)負荷計測と時間要件
対象機器の消費電力(W)と必要時間(h)を把握。「全部」ではなく「守る順」でサイズを決めます。
3)仮設・実地テスト
短期の現場テストで瞬停吸収・復電復帰を確認。立ち上げ手順も同時に固めます。
4)運用ルール化
充電・点検・移動・保管のルールを文書化。キャスター移動時の安全動線を明確にします。
5)CVCF等の併用判断
電源品質がシビアな機器にも対応。安定化で誤動作の芽を摘みます。
6)年次点検の計画統合
法定点検カレンダーに合わせ、事前の配置・導線・要員計画をテンプレ化しておきます。
価格と製品ページ(内部リンク)
価格はメーカー希望小売価格 230万円(税別)。詳細仕様や活用例は、可搬型大容量UPS「パーソナルエナジー・ポータブル」製品ページをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 連続給電時間はどのくらい確保できますか?
A. 接続機器の合計消費電力と必要時間で決まります。まずは守る工程の優先順位から設計します。
Q. テンパリングや検査の瞬停にも効きますか?
A. 多くのケースで瞬停吸収に有効です。CVCF(定電圧・定周波数)を標準搭載しており、電源品質にシビアな制御機器でも効果が期待できます(機器個体差があるため現場検証を推奨)。
Q. 移動は安全ですか?台車は必要?
A. 台車は不要です。本体に大型キャスターと伸縮ハンドルを備え、旅行鞄のように“コロコロ”と引いて安全に移動できます。
Q. ブラックサンダーのようなチョコ菓子の工程にも合いますか?
A. はい。テンパリング・印字・検査など“瞬停に弱い工程”を点で守る用途に適します。