太陽光・蓄電池の確実に失敗する買い方

2025.09.26 暮らしの省エネ 防災・BCP 太陽光・蓄電池 管理人

太陽光・蓄電池の確実に失敗する買い方|失敗と成功のパターン|Re

太陽光・蓄電池の確実に失敗する買い方

「補助金で選ぶ」は高確率で失敗します。 理由はシンプルで、家庭の中身(停電時に優先して動かしたい家電、必要な時間、設置条件、将来拡張)ではなく、制度や割引といった“外側の条件”を起点にしてしまうからです。結果として、用途不一致・過小/過大容量・思わぬ維持費に直結します。

この記事のゴール:まず「失敗する買い方」を明らかにし、その裏返しとして正しい選び方の手順(チェックリスト)に落とし込みます。価格表の横並びではなく、生活と安心を守るための費用対効果で納得して選べる状態をつくります。

時代背景:撤退とサポート空白のリスク

住宅設備の世界には、昔から「売る、建てる、逃げる」という皮肉な言い回しがあります。家庭用蓄電池も例外ではなく、OEMを含め取り扱い企業の撤退や事業縮小は今後も起こりえます。問題は撤退そのものよりも、保証窓口の不在・部品供給の細り・修理対応の長期化といった「サポート空白」が生じることです。

  • 確認すべきは「供給継続性×保守網×部品共通性」。ブランド名よりも、長期部品供給・第三者でも整備できる設計か、で見る。
  • 販売会社だけでなく保証主体(メーカー/販売会社/代理店)がどこか、撤退時の取り扱いを明文化しているか。
  • 遠隔監視や交換SLA(目安対応時間)の運用実績。書面だけでなく、体制と人の有無。

真剣に考えたい方へ

相談→ヒアリング→提案・見積。目的に合わない場合は導入しない選択肢もお伝えします。

停電時に動かす家電・想定時間・目安予算を伺い、最適容量と工事をご提案します。

相談して提案を受ける

※情報のみ・金額のみの照会には対応できない場合があります。

確実に失敗する10のパターン

① 停電時の動作を確認しない(自立運転/EPS/UPSの違いを無視)※5※7

「停電時も家全体が動く」と誤解しがち。実際は回路を分ける設計が必要だったり、切替時間が長い機器ではパソコンや通信機器が落ちることも。自立運転/EPS/UPSの違いと切替時間(ms〜秒)を必ず確認。

② 優先負荷を定義しない(冷蔵庫・通信・暖冷房の順序)

「とりあえず大きめ」で選ぶと過大投資に。まず停電時に必ず動かす家電リスト(W/VA、起動電流)を作成し、優先順位をつけるのが先。

③ 容量をカタログ満値で計算する(DoD/劣化/効率を未考慮)

蓄電容量はDoD(実使用可能割合)・変換効率・経年劣化を織り込んだ実効値で見積もる。満充電前提や理想効率での皮算用は禁物。

④ 施工品質を軽視する(接地・保護協調・系統連系)

設計不備や配線ミスは故障リスクだけでなく安全性にも直結。接地・漏電保護・短絡保護・保護協調、そして系統連系手続きの順守は必須の土台

⑤ 監視・保守体制を未確認(遠隔監視・駆け付け・交換SLA)

「アプリがある」だけでは不十分。異常時の検知〜連絡〜一次対応の流れと、実際に動く人員・パートナー網を確認。

⑥ 出力制御や自家消費比率を見ない(売電前提のまま)※1※2※9

売電条件や出力制御の影響で期待回収が変わる。日中自家消費の設計(給湯・空調・EV等の負荷シフト)を織り込んだ計画が必要。

⑦ 将来拡張(V2H/増設/買替)と互換性の道筋がない

あとからEVや増設を考えても、規格・通信・系統保護が合わずに高額改修になることも。将来像をの設計に反映。

⑧ 化学・寿命・保証の読み違い(LFP/NMC・サイクル・残容量保証)

カタログの「サイクル数」だけでなく、残容量保証・温度条件・使用プロファイルを含めて寿命を評価。

⑨ 訪販の即決特価に乗る(クーリングオフ前提の設計不一致)※3※4

ヒアリングや現地調査なしの即決は危険。書面上“お得”でも、目的不一致=高い買い物になりがち。

⑩ 費用対効果を「電気代だけ」で判断(安心・快適・停電価値を無視)

導入の価値は日常の自家消費+非常時のレジリエンスの総和。電気代だけで測ると、必要な性能を削って本末転倒に。

正しい選び方フレーム「HOME-7」

H:House Load(優先負荷の定義)

冷蔵庫・通信(ONU/ルータ)・空調・照明・医療/介護機器など、停電時に止めない家電をリスト化。W/VA・起動電流も可能な範囲で把握。

O:Outage Scenarios(停電シナリオ)

地域の停電履歴、季節・昼夜、想定時間を前提化。夏夜間/冬早朝など厳しい条件で必要時間を決める。

M:Mode & Transfer(連系/自立と切替時間)※5※7

自立運転/EPS/UPSの違い、切替時間(ms〜秒)、機器ごとの許容を照合。PC・通信は切替に弱いので要注意。

E:Energy & Chemistry(容量と化学)

容量はDoD・効率・劣化で実効値に換算。化学(LFP/NMC等)ごとの特性と保証条件も確認。

S:Serviceability(保守性と保証主体)

保証の出し手、撤退時の取扱い、部品供給・修理網を事前確認。第三者整備の可否も判断材料。

I:Installation Quality(設計・施工品質)

接地・保護協調・系統連系・分電盤の回路設計を設計段階でレビュー。現地調査の有無も重要。

F:Finance(費用対効果の評価)※9

補助金は“加点”。選定理由は中身。自家消費・快適性・停電価値を含めてトータルの費用対効果で比較。

匿名ミニ事例:補助金優先の失敗/中身優先の成功

失敗例(戸建・オール電化)

補助金条件に合う機種を即決。冬季の暖房負荷が想定外に大きく、停電時は1時間未満でバッテリー切れ。結果、非常用として機能不全。

成功例(戸建・子育て世帯)

優先負荷を定義:冷蔵庫・通信・居室照明・小型ヒーター。夜間3時間の維持を目標設定。実効容量で算出し、切替の短い方式を採用。投資は抑えつつ、停電時も「いつもの生活の核心」を維持。

そのまま使える購入前チェックリスト

  • 停電時に必ず動かす家電リスト(W/VA・起動電流)を作った
  • 必要バックアップ時間を季節/昼夜別に定義した
  • 自立運転/EPS/UPSの違いと切替時間を確認した
  • 容量計算にDoD・変換効率・経年劣化を入れた
  • 分電盤の回路設計(優先負荷回路)を設計段階で検討した
  • 遠隔監視・駆け付け・交換SLAの体制を確認した
  • 出力制御や売電条件を織り込み、自家消費の運用方針を決めた
  • 将来のV2H/増設・買替の互換性を確認した
  • 保証主体・撤退時の取り扱い・部品供給を確認した
  • 補助金は“最後の後押し”として位置づけた

真剣に考えたい方へ

相談→ヒアリング→提案・見積。目的に合わない場合は導入しない選択肢もお伝えします。

冷蔵庫・通信・空調など優先負荷の定義から始めます。数字は費用対効果で比較します。

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