電気の不安を減らす実践ガイド|家庭・法人の“いま困ってる”をサクッと解決
2025.10.03 電気のお困りごと 暮らしの省エネ BCP 管理人
電気の不安を減らす実践ガイド|家庭・法人の“いま困ってる”をサクッと解決
目次
- 1. 電気代のお困りごと:個人
- 2. 電気代のお困りごと:法人
- 3. 停電対策について:個人(守るべき機能と必要容量)
- 4. 停電対策について:法人(重要負荷の系統分離)
- 5. 在宅避難の準備(3〜7日を自宅で過ごすためのチェックリスト)
- 6. 導入の流れと費用対効果
- 7. 参考資料
- 8. ご相談・お問い合わせ
- 9. よくある質問(FAQ)
1. 電気代のお困りごと:個人
「高い・分かりにくい・節約が効いている実感がない」
家計に占める光熱費の負担は、少しの気温・使用時間のズレでも実感が変わる、扱いの難しい固定費です。多くの方が「電気料金が高い」「料金プランが分かりにくい」「節約しても効いているか分からない」と感じています。まずは客観的に契約/時間帯/設備の3点で、ムダの原因を切り分けましょう。
3つの視点で現状を見える化
- 契約:従量・時間帯別・市場連動など、料金単価と基本料金の仕組みはどうなっていますか?
- 時間帯:夕方〜夜に使用が集中していませんか?予約・タイマーで負荷をずらせますか?
- 設備:断熱・気密、冷暖房(能力・年式)、給湯方式、古い家電はありませんか?
階段型でムダを減らす(リスクの低い順に)
- プラン最適化:生活時間に合うプランへ切替。時間帯別や実量制なども比較検討します。参考:東京ガス 都市生活レポート(電気代の体感上昇の傾向)。
- 運用改善:タイマー活用・ピーク時間の負荷シフト・待機電力の削減。節約の難しさは「生活スタイルとのギャップ」が原因であることが多く、意識調査でも裏づけられています。
- 設備更新:断熱強化、高効率エアコンや給湯器への更新、照明のLED化。電気を「使わない」時間と「使っても消費が少ない」状態を増やします。
- 創って貯める:太陽光+蓄電池+V2Hで、昼に創って夜に使うサイクルを構築。停電時のバックアップにも直結します。
ご家庭の電気代、まずは数字から整えましょう
2. 電気代のお困りごと:法人
「原価・環境・人材」の三重苦を電力から緩和する
製造・物流・医療・オフィスの別を問わず、電力コストは利益と環境対応の両面に効く戦略コストです。見える化→設計→運用→創って貯めるの順で最適化を図ります。
事実と簡易診断|デマンド・力率・用途別負荷を把握
- 最大需要電力(デマンド):ピーク発生の時間帯・設備の組み合わせを特定。
- 力率・基本料金:請求明細の内訳と実績(30分データ)で検証。
- 用途別負荷:生産設備、空調、照明、IT/通信等の構成比を可視化。
BCP/レジリエンスの観点でも、企業規模や業種によって取組のばらつきがあることは各種調査に示されています(例:内閣府「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(2024)」、帝国データバンク BCP意識調査(2024))。
段階的に効かせる(投資の順番を間違えない)
- 見える化:EMS/スマートメーターで用途×時間帯を可視化、無駄な同時稼働を抑制。
- ピーク抑制:蓄電池でピークカット・需要平準化。将来の電化・EV導入に備えた基盤づくり。
- 高効率化:設備更新、インバータ・制御最適化、力率改善で「使う電力」を減らす。
- 創って貯める:太陽光(自家消費/PPA)+蓄電池+V2Hで、電力コストとレジリエンスを同時改善。
契約の見直し(無料レビュー)
30分データと請求明細をご提示いただければ、現在の契約メニュー・基本料金・単価の妥当性を無料でレビューします。費用をかけずに始められる、最初の一歩です。
数字で語れる「電力コスト」へ
3. 停電対策について:個人(守るべき機能と必要容量)
「冷蔵庫・照明・通信だけは守りたい」
停電でも暮らしを止めないコツは、何を・どれくらいの時間動かしたいかを先に決めること。多くの家庭で優先度が高いのは、照明・通信(Wi-Fi/スマホ充電)・冷蔵庫です。停電経験世帯への調査でも、同様の行動優先が示唆されています(例:国総研/NILIM 技術資料)。
必要容量の考え方
- 照明+通信:おおむね100〜200W、必要時間×台数で試算。
- 冷蔵庫:定格よりも「間欠運転」を考慮。庫内温度維持が目的なら連続運転は不要。
- 医療・介護機器:機器仕様(電源品質・切替時間)に準拠した設計が必須。
昼は太陽光で充電、夜は蓄電池で賄う運用に切り替えると、必要容量は大幅に下げられます。EV/PHVがあるご家庭は、V2Hで「大容量・静音・屋内運用可」という在宅避難の強みを得られます。
静かで安全なバックアップを優先
太陽光+蓄電池+V2Hを基本とし、発電機は屋外・換気・燃料管理の条件を満たせる場合のみ限定的に併用。平常時は電気代削減、非常時はバックアップという二刀流を実現します。
我が家の「停電計画」を1枚に
4. 停電対策について:法人(重要負荷の系統分離)
重要負荷の棚卸しと系統分離
「全部を止めない」ではなく、止めてはいけない機能を止めない。まずは重要負荷(EMR/サーバ/ネットワーク/通信、検査機・制御盤、PBXなど)を棚卸し、一般負荷と系統分離します。そのうえで、機器仕様に合わせてUPS×CVCFで電源品質(瞬停・電圧/周波数変動)を平準化し、ネットワークはデュアルWAN/衛星系で冗長化。電源と通信の両輪で「止めない」を設計します。
現場ですぐ使える定番構成
- 医療施設:EMR/スイッチ/PoE/CPE/院内Wi-Fiを、可搬型大容量UPS×CVCF『パーソナルエナジー・ポータブル(以下、PEP)』で無瞬停化。平常時は電気代のピーク抑制、非常時は局所バックアップ。
- 製造・物流:検査機・制御盤・サーバはPEPで守りつつ、拠点全体は独立電源『パーソナルエナジー』と太陽光/蓄電池/V2H、長丁場は発電機でブリッジ。
- オフィス/コールセンター:PBX/ネットワーク/仮想基盤をPEPで平準化、要員の在宅BCPも想定しV2H・モバイル系冗長化を併用。
在庫・保守まで含めたハイブリッド最適化
太陽光・蓄電池・V2H・発電機を、必要電力(kW)と継続時間(h)で適材適所に。発電機は燃料・試運転・排気対策の運用コストを織り込むこと、太陽光/蓄電は平常時の費用対効果で回すことが成功パターンです。局所の無瞬停はPEP、全体は独立電源と発電機で底上げ――この役割分担が、費用対効果を最大化します。
既存設備を活かす「止めない電源」へ
5. 在宅避難(3〜7日を自宅で過ごすためのチェックリスト)
まずは3日、その先は1週間を目安に
行政や各種調査では、在宅避難の備蓄目安として「3日〜1週間」の考え方が一般的です(例:東京都 都政モニター、防災白書)。
チェックリスト|モノと環境と電力
- 水・トイレ・食料・常備薬:人数×日数で管理。断水・停電同時発生を想定。
- 情報:ラジオ・モバイルバッテリー・充電ケーブル・紙の連絡先。
- 温熱環境:断熱・ゾーニング(使う部屋を絞る)・保温/保冷・換気。
- 電力:照明・通信・保冷を最優先。医療機器は機器仕様に準拠した計画が必須。
電力の確保|静かに、長く、屋内で
在宅避難は「騒音・排気を出さない」「屋内で安全に使える」電力が理想です。よって、太陽光+蓄電池+V2Hが最有力。発電機は屋外・換気・燃料・保守の条件を満たせる場合に限定し、長期停電の安全弁として位置づけます。停電時の生活行動や代替電源の有効性は、NILIMの集計資料も参考になります。
「家に留まる力」を設計に
6. 導入の流れと費用対効果
最短距離で成果へ
- 現場ヒアリング:目的・制約・安全要件・将来計画(EV/増築)を確認。
- 計測・データ収集:使用量・デマンド・瞬停有無・停電履歴・通信要件。
- 設計:重要負荷の選定/系統分離/電源品質(切替時間・CVCF)に準拠。
- 試算:初期費用・運用費・費用対効果(キャッシュフロー・長期保守を含む)。
- 導入:安全・法規・施工・試運転・教育。
- 検証:効果測定・運用チューニング・見守りPCへのメール通知で運用を定着。
7. 参考資料
- 停電時の生活行動・代替電源:国総研/NILIM 技術資料(2024)
- 在宅避難の備蓄状況:東京都 都政モニター(2024)、令和7年版 防災白書
- 生活者の電気代の体感・行動:東京ガス 都市生活レポート(2024)、Looop 意識調査(2024)
- 企業のBCP・防災取組:内閣府 企業の事業継続実態調査(2024)、帝国データバンク BCP意識調査(2024)
8. ご相談・お問い合わせ
ここまで読んで「うちにも当てはまりそう」「まずは状況を見てほしい」と感じたら、最短の成功パターンを一緒に描きましょう。ご家庭・法人ともに、初回ヒアリングと現状レビューは無料です。
9. よくある質問(FAQ)
太陽光・蓄電池・V2H・UPS×CVCFはどう違って、どの順番で入れるべき?
太陽光は昼に発電、蓄電池は電気を貯めて夜やピークに使います。V2HはEV/PHVの電力を家や施設へ給電できる仕組み。UPS×CVCFは瞬停や電圧・周波数の乱れを補正し、医療/IT機器などを無瞬停・高品質で守ります。導入の順番は一般に「運用最適化→設備高効率化→太陽光+蓄電池+V2H」、重要負荷にはUPS×CVCF(PEP)で品質を確保、拠点全体には独立電源を併用します。
家庭で“最低限”を維持するには、どのくらいの容量が目安?
照明・通信(Wi-Fi/スマホ)・冷蔵庫の維持で、おおむね300〜800Wh/日×必要日数が入口。昼は太陽光で充電→夜は蓄電池で賄う運用にすれば必要容量は抑えられます。医療機器は機器仕様(電源品質・切替時間)に合わせた個別設計が必須です。
発電機を併用する場合の注意点は?
屋外設置・換気・排気管理・燃料保管・定期始動試験・騒音対策が必須。屋内使用は一切不可です。長丁場の非常用として位置づけつつ、平常時の電力最適化は太陽光/蓄電で回すと費用対効果が安定します。
電気料金の契約見直し(無料レビュー)では、何を準備すればよい?
直近1年間の請求明細(内訳が分かるもの)、30分デマンドデータ(法人のみ)、現在の契約メニュー/基本料金/力率が分かる情報。これらでピークの発生時間帯や基本料金の妥当性を検証できます。
PPAや補助金は使える?
条件を満たせば活用可能です。制度は地域・年度で要件が異なるため、現場条件(屋根/配電/需要)と併せて個別に確認し、費用対効果の観点で最適な調達方法をご提案します。