ペットの停電対策・災害時の過ごし方(家庭+動物病院)≪ 続編 ≫

2025.10.31 医療・動物病院 ペットと暮らす 管理人

ペット停電対策|赤ちゃんと猫が寄り添って眠る写真—家庭と動物病院の災害時の過ごし方(続編)

© Re 2025 ・ 株式会社Re | 読了目安:約7分

ペットの停電対策・災害時の過ごし方(家庭+動物病院)≪ 続編 ≫

“止めない”ための準備が、いちばんの安心。

暑さ・寒さ・暗さ・音、そしてごはん・給水・医療を「いつも通り」に。家庭でも動物病院でも、まずは「止めない設計」と「手順」を用意しましょう。

ペット停電対策動物病院BCP

家庭:停電直後の一次対応

まず安全確認

  • ブレーカーと周辺の停電状況を確認。ろうそくは倒火・火災リスクがあるのでNG。LEDライトを常備。
  • 冷蔵庫は開閉を最小に、保冷材で補助。

夏:体温管理を優先

  • 直射・西日を遮る、窓を数cm開け通風、ケージは風の通り道へ。
  • 保冷剤は布でくるみ誤食防止、冷感マット併用。USB/12Vファンはモバイル電源に。

冬:底冷え対策から

  • 床・ケージ下を断熱(コルク/銀マット/毛布)。
  • 小型パネルヒーターはサーモ付を優先(低温やけど注意)。

家庭:平時にしておく準備

同行避難の正しい理解

「同行避難」はペットと一緒に避難行動をとることであり、避難所で同室滞在を保証するものではありません。自治体ごとの受入方針を平時に確認しましょう。
参考:環境省定義(同行避難の趣旨)

個別防災キット(3〜7日分)

  • フード・水・器具(折りたたみボウル等)/常備薬・投薬スケジュール・カルテ写し
  • ペットシーツ・処理用品・ビニール袋/首輪・迷子札・予備リード・写真(身元確認)
  • ケージ/キャリー・毛布・タオル・ウェットティッシュ/マイクロチップ登録情報の控え

電源の考え方:まず“何を止めないか”を決める

家庭向けの現実解

  • スマホ充電・LED・USBファン等は小型ポータブル電源で賄う。
  • 小動物/水槽は必要電力と「何時間もたせたいか」を平時に実験(30%の余裕目安)。
  • 医療機器に準ずる機器は常時インバータ給電方式UPSなど“無瞬停”の機器を選ぶ。

病院・施設では“無瞬停”が前提

酸素濃縮器、麻酔器、ICU保温、サーバ/電子カルテ、ネットワーク機器など、瞬停が許されない機器は、機器仕様に合わせてUPS(無停電電源装置)×CVCF(定電圧・定周波数)で対応するのが基本です。

【いまやる理由】冬本番前の準備が最小コストで最大効果。温度管理負荷が上がる前に“止めない設計”へ。

無料:動物病院の“止めない”電源ミニ診断
機器リストと使用時間を共有いただければ、必要容量と構成の概算をお出しします。

動物病院・施設:BCPの骨子

優先順位を決める

  • ペットの安全(ICU・酸素・保温・麻酔関連)/診療継続(最低限の処置・入院継続)
  • 記録・データの保全(電子カルテ/サーバ)/スタッフ・来院者の安全と設備点検

電源:可搬型大容量UPS×CVCFを中核に

パーソナルエナジー・ポータブル(PEP)は、常時インバータ給電・双方向インバータで“無瞬停”運転。発火の危険性があるリチウムイオンバッテリーを採用せず、可搬型・工事不要、モーター/誘導負荷に強いのが特長。太陽光・発電機・車載DCなど多様な外部給電に対応し、バッテリーバンクをホットスワップ連結(稼働したまま繋ぎ変えることが可能)で長時間無停電化できます(最大約50kWh級構成)。遠隔監視は見守りPCにメールで通知が可能(オプション)。

通信の冗長化

固定回線+モバイル/衛星の二系統化(自動フェイルオーバー)。衛星通信はStarlink Businessの固定/移設プラン等が医療機関BCPでも活用されています。

運用手順と訓練

  • 停電時の担当・手順(電源投入順、酸素・ICUの優先順位)を紙で備え、月1回短時間訓練。
  • 入院動物の移送計画、飼い主連絡テンプレを用意。

小動物・水槽:停電時のポイント

エア・循環・温度の3要素

  • 空気:手動ポンプ/電池式ポンプで最低限の酸素を確保。
  • 循環:振動が少ないUSBポンプをモバイル電源で。
  • 温度:断熱カバーで放熱/放冷を抑え、必要時のみ加温。

平時の実験が命綱

「この電源で何時間もつか?」は実機で試す。必要時間に対し+30%余裕を見ておくと安心。

体験談/失敗談/おすすめしないやり方や製品

体験談

  • 「スマホ充電+LED+USBファン」だけでも体感温度は確実に下がる。まず“小さく始めて”成功体験を。
  • 医療機器に準ずる機器は常時インバータ×CVCF(無瞬停)が安心。瞬停で再起動→処置中断が一番の損失。

失敗談(よくあるパターン)

  • 「ポータブル電源だけでヒーター長時間」を見積り誤り。必要時間×消費電力+30%余裕で平時に必ず実験。
  • 「発電機だけでOK」→給油・排気・騒音・保管で悩む。屋内は厳禁、可搬UPSとの併用が現実解。

おすすめしないやり方や製品

  • ろうそくNG(転倒火災リスク)。LEDライト常備を標準化。
  • 疑似正弦波インバータでの医療級機器はNG。機器仕様に適合した無瞬停UPS×CVCFを。

費用対効果の考え方(“効く順序”で)

効く順序の一例

  1. 現状把握(機器リスト・消費電力・必要時間)
  2. 停電時の優先順位と手順書化
  3. 家庭:小型電源+通風/断熱など低コストを重ねる
  4. 病院:機器仕様に合わせ可搬型大容量UPS×CVCF(無瞬停)
  5. 通信二重化・在庫(酸素ボンベ等)の見直し

無料:動物病院の“止めない”電源ミニ診断
所要約3分で依頼OK。機器リストと使用時間を共有いただければ、必要容量と概算をお出しします。

最新情報:国のガイドライン改訂の検討開始

環境省は2025年10月23日「人とペットの災害対策ガイドライン」改訂に向けた検討会(第1回)開催を公表。最新の災害教訓等を踏まえた内容更新が見込まれます。詳細は 環境省プレスリリース をご確認ください。院内/家庭の備えを「止めない運用」前提でアップデートしましょう。

同行避難の基本や受入の考え方は、現行資料でも確認できます(定義・受入の留意点)。

獣医師会の地域活動ガイドライン(チェックシート等)も参照に。

参考資料・データ

私たちの想い

子供たちのために-次の世代に、胸を張って渡せるエネルギーを

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