給湯器が一番故障するのは「今」!お風呂が一番気持ちいい季節の落とし穴
2025.11.24 住まいのトラブル・メンテナンス 省エネ・光熱費削減 管理人

©Re 2025 執筆:株式会社 Re 髙橋 | 読了目安:約8分
給湯器が一番壊れるのは「今」!お風呂が一番気持ちいい季節の落とし穴
こんにちは、株式会社Reの髙橋です。
11月も下旬を迎え、愛知県の三河地域でもいよいよ本格的な冬の足音が聞こえてきました。一日の仕事を終え、冷え切った体を温かいお風呂に沈める瞬間。思わず「はぁ~」と幸せなため息が漏れてしまう、日本人にとって至福の季節の到来ですね。
しかし、そんな「お風呂が一番気持ちいい季節」こそが、実は「給湯器が一番壊れやすい魔の季節」であることを、皆さまはご存知でしょうか?
「昨日は普通に使えていたのに、今夜急に水しか出なくなった!」
「年末年始でお店もメーカーも休み。この寒空の下、家族全員で銭湯に通うことになってしまった…」
毎年12月から1月にかけて、私たちのもとにはこうした悲痛なSOSが殺到します。住宅設備のプロとして断言しますが、給湯器の故障はある日突然起こるものではありません。必ず機械からの「前兆」があります。
今回は、本格的な冬将軍が到来する前に知っておくべき「給湯器の寿命サイン」と、どうせ交換するなら光熱費を大幅に削減して元を取るための「賢い機種選び」について、忖度なしのプロ視点で徹底解説します。3000文字以上の長文ですが、あなたの家のライフラインを守るための重要な情報ですので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
1. なぜ「今」なのか?お風呂が最高な季節に給湯器が悲鳴を上げる理由
夏場はあんなに元気に動いていた給湯器が、なぜ寒くなると急に不機嫌になり、ストライキを起こすのでしょうか?
その理由は、機械の気持ちになればすぐに分かります。キーワードは「温度差という暴力的な負荷」です。
水温5℃を42℃にする過酷な労働
給湯器の仕事はシンプルに言えば「水を温めてお湯にする」ことです。言葉にすれば簡単に見えますが、季節によってその労働負荷(重労働度合い)は天と地ほど異なります。
- 夏の場合:水道管を通ってくる水の温度は約25℃もあります。これを40℃のお湯にするには、温度を「+15℃」上げるだけで済みます。人間で言えば、軽いジョギングやウォーミングアップ程度の運動量です。
- 冬の場合:三河地域の山間部や内陸部(豊田市や岡崎市の山手など)では、真冬の水温が5℃近くまで下がります。これを快適な42℃のお湯にするには、温度を「+37℃」も上げなければなりません。これは夏場の2倍以上のパワーが必要な、まさに心臓破りの坂を全力疾走している状態です。
特に、設置から10年以上経過している給湯器は、内部のゴムパッキンや電子基盤、熱交換器といった部品が経年劣化で弱り切っています。そこへ冬場の「全力疾走」の命令が毎日下されることで、耐えきれなくなった部品が破裂したり、回路がショートしたりして、致命的な故障が発生するのです。
「お風呂が気持ちいい=家族みんながお湯をたくさん使う」時期だからこそ、給湯器にとっては一年で最も過酷なデスマーチが続いているとお考えください。11月から12月にかけて故障が急増するのは、決して偶然ではないのです。
2. 「まだお湯は出る」が一番怖い。絶対に見逃してはいけない3つの崩壊サイン
給湯器が完全に沈黙して動かなくなる直前、多くの場合、機械は無言の(時には音のある)SOSサインを出しています。「まだお湯は出るし、使えるから」と騙し騙し使っていると、ある晩突然、冷水を浴びることになります。以下の症状が一つでもあれば、即座に点検・交換を検討してください。これはプロからの警告です。
サイン1:お湯の温度が安定しない(「冷たい!」と「熱い!」の繰り返し)
シャワーを浴びている最中に、急に水になったり、逆に熱湯になったりすることはありませんか?
これは、湯量を調整するサーボモーターや温度センサーの不具合、あるいはガスバーナーの着火機能の劣化を示す初期症状です。「蛇口を一度閉めて、もう一度開ければ直るから」と放置するのは非常に危険です。それは機械が「もう制御できません、限界です」と悲鳴を上げている状態だからです。
サイン2:聞き慣れない「異音」や「爆発音」
お湯を出す時に、「ボンッ!」という小さな爆発音が聞こえませんか?これはガス給湯器内部での不完全燃焼や、着火不良による爆発着火の音です。非常に危険な状態で、最悪の場合、火災や一酸化炭素中毒に繋がるリスクすらあります。
また、エコキュートの室外機(ヒートポンプユニット)から「キーン」「ガリガリ」といった異音がする場合も、冷媒を圧縮するコンプレッサーやファンモーターの寿命が近づいています。
サイン3:給湯器周辺の水濡れ・サビ・排気口の黒ずみ
晴れているのに給湯器の下が濡れていたり、配管のつなぎ目からポタポタと水が垂れていませんか?
内部の配管腐食(ピンホール)による水漏れは、電気系統にかかれば一発でショートして全停止します。
また、排気口の周りが黒くすすけている場合も不完全燃焼の証拠です。これらは「修理」よりも「寿命」の判定になることが多く、特に部品供給期間(通常製造終了から10年)を過ぎている機種では、修理不能のため交換一択となります。
3. 【アプリ診断】ガスか電気か?光熱費を劇的に下げる「正解」を30秒で選ぶ
いざ交換となると、「今までと同じメーカーの同じタイプでいいや」と思考停止してしまいがちです。
しかし、ちょっと待ってください。この10年でエネルギー情勢は激変しました。電気代もガス代も高騰している今、給湯器選びの失敗は、向こう10年間の家計の損失に直結します。
「じゃあ、うちはどれを選べばいいの?」という疑問にお答えするため、簡易診断ツールをご用意しました。
以下の3つの質問に答えるだけで、プロの視点から「あなたの家で最も光熱費が安くなる機種」を判定します。
給湯器選び 30秒診断
あなたの暮らしに最適な一台を
プロのロジックで判定します。
お住まいのガス種別は?
太陽光パネルはありますか?
※設置予定も含みます
給湯器選びで一番重視するのは?
4. 2025年は補助金特需!給湯器交換を「投資」に変える賢い戦略
「壊れたから仕方なく払う修理代」と考えると、給湯器交換は痛い出費です。
しかし、「光熱費という固定費を下げるための投資」と考えれば、これほど利回りの良い商品はそうそうありません。
実は、家庭で消費するエネルギーのうち、約40%が「給湯」に使われていることをご存知でしょうか? 冷暖房よりも、照明やテレビよりも、実はお風呂やシャワーにお金がかかっているのです。ここを省エネ化することは、家計防衛の「本丸」を攻めることに他なりません。
国の「給湯省エネ事業」を活用しよう
政府も脱炭素社会の実現に向けて、高効率給湯器の普及を強力に後押ししています。
2024年度から続く「給湯省エネ事業」などの補助金制度を活用すれば、対象のエコキュートやハイブリッド給湯器の導入に対して、8万円〜最大10万円以上(機種の性能や撤去加算等による)の補助が出るケースがあります。
私たち株式会社Reは、こうした煩雑な補助金の申請サポートもワンストップで行っています。「どんな補助金が使えるの?」「予算内で一番性能が良いのは?」といった疑問に、最新情報をもとにお答えします。
2025年も残すところ予算も残り僅かとなっています。予算上限に達し次第終了となるため、故障して慌てる前の「早めの検討」が、結果的に一番お得になる秘訣です。
5. よくある質問(Q&A)
Q1:完全にお湯が出なくなってしまいました。すぐに対応してもらえますか?
A1:可能な限り最短で駆けつけます!ただし、12月〜1月の繁忙期はメーカーの物流も混み合い、特定機種の納期がかかる場合があります。在庫がある製品での即日対応や、状況によっては仮設給湯器の対応などが可能か確認しますので、まずは諦めずにご連絡ください。
Q2:エコキュートにすると「シャワーの水圧が弱くなる」と聞きましたが?
A2:それは一昔前の話です。最新のエコキュートには「高圧タイプ(パワフル高圧)」や「水道直圧式(日立など)」があり、2階や3階のお風呂でもガス給湯器と変わらない勢いでシャワーを使えます。ご家族の人数やシャワーへのこだわりをお聞きし、ストレスのない機種を選定します。
Q3:Reさんはどのメーカーの給湯器を扱っていますか?
A3:私たちは特定のメーカーに縛られない独立系のポジションです。三菱電機、ダイキン、日立、パナソニック、コロナ、ノーリツ、リンナイなど、国内主要メーカーすべてを取り扱っています。「三菱のキラリユキープが欲しい」「ダイキンの高圧がいい」といったご指名も大歓迎ですし、中立的な立場からお客様にベストな一台を推奨することも可能です。
6. 私たちの想い:お湯を守ることは、家族の安心な未来を守ること
最後に、私たち株式会社Reがなぜ給湯器にこれほどこだわるのか、少しだけお話しさせてください。
私たちは将来的に「オフグリッド」―つまり、電力網などのインフラに頼りきらず、自律的にエネルギーをまかなえる社会の実現を目指しています。
「たかが給湯器の話で、大げさな」と思われるかもしれません。
しかし、給湯器は単にお湯を沸かす機械ではありません。
例えば、エコキュートのタンク内にある数百リットルのお湯(水)は、大地震や断水が起きた時、家族の命を繋ぐ「生活用水の備蓄」になります。
例えば、太陽光発電と連携した給湯器は、エネルギー価格が高騰しても家計への影響を最小限に抑える「防波堤」になります。
毎日当たり前のように使うお湯だからこそ、災害にも強く、家計にも優しく、環境にも良い選択をしていただきたい。
それが、元ハウスメーカー出身者も集まり、住まいの裏側まで知り尽くした私たちの偽らざる想いです。
「そろそろ寿命かな?」「最近ちょっと調子が悪いな」と感じたら、本格的な冬が来てお湯が止まってしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。
地元の「住まいの相談窓口」として、お客様が温かいお風呂で一日の疲れを癒やせるよう、全力でサポートさせていただきます。
参考資料・出典
※本記事の作成にあたり、以下の資料および信頼できる公的データを参照しています。
[1] 経済産業省 資源エネルギー庁「給湯省エネ事業2025」について
[2] 愛知県内各自治体(岡崎市)の省エネ設備導入補助制度
[3] LIFULL HOME’S Business「補助金に沸いた2023年、自宅リフォームの需要喚起へ」
Re 2025 執筆:株式会社 Re 髙橋
