【最新版】ポータブル電源の火災・事故情報アップデート

2025.10.15 UPS(無停電電源装置) 防災・BCP 蓄電池 管理人

ポータブル電源の火災・事故【最新版】|医療・福祉は導入NG|施設向け安全選定ガイド

【最新版】ポータブル電源の火災・事故情報アップデート

本記事は、昨年4月公開の「この過去記事のアップデート版です」。新たな事故情報・官公庁の注意喚起・BCP義務化の動きなどを踏まえて再構成しています。

いま改めて“選び方”を見直す理由

携行しやすいポータブル電源は災害対策として浸透しましたが、近年はリチウムイオン電池製品の発火・発煙・焼損事例への注意喚起が続いています。季節要因(高温・多湿)や誤った充電・保管、過負荷運転などが重なると事故リスクは上がります。自治体・消防・国の機関は継続的に注意を促しており、「どこで・何に使うか」によって選定基準を変える必要があります。

要注意! 医療・福祉では【導入NG】——“燃える・落ちる・止まる”電源は選ばない

次のタイプは施設への持ち込み不可(推奨せず/導入NG)。ここを間違えると、被害は人命 → データ → 信頼の順に雪だるま式に拡大します。

  • リチウムイオン系ポータブル電源:可燃性電解液ゆえ熱暴走 → 発火・延焼の火種になり得る。避難経路で煙を出す時点で失格不特定多数が滞在する施設用途には不適
  • “家庭用インバータ前提”の簡易給電:停電時のミリ秒級の瞬断で通信・医療周辺機器が落ちる。起動時の突入電流で出力が崩れ、リセット→再起動ループに陥るリスク。
  • 波形/切替方式/適合性が不明瞭な無銘機「仕様が読めないものは現場に入れない」が鉄則。無瞬停要件を満たさない可能性が高い。

これで守る——施設用途の“基本線”

  • 常時インバータ給電方式の大容量UPS × 非リチウム(例:AGM)を基軸に設計。
  • 負荷分割/順次投入/定格余裕で突入を制御、波形品質と“無瞬停”を担保。
  • 通信・通報・入退室・ナースコール・サーバ/NAS同一系統で無瞬停を前提に。
  • 離隔・区画・掲示・訓練まで含めて“設備+運用”で安全を作る。
現場判断の一本線:施設=UPS(定電圧定周波数・非リチウム)/家庭・携行=固体電池系ポータブル電源を比較重要負荷の合計kW×必要時間×係数(目安1.7)で一次試算し、同時起動の有無を必ず設計に反映。

技術背景:瞬停と突入電流――“動いたり落ちたり”を招く二大要因

① 瞬停(転送遅延)

UPSの運転方式が常時商用・ラインインタラクティブの場合、停電や電圧異常時の切替でミリ秒級の瞬断が発生し得ます。これだけでネットワーク機器や医療周辺機器がリセット・停止する事例は珍しくありません。常時インバータ(ダブルコンバージョン)を前提にするのが施設の基本です。

② 突入電流(Inrush)

モータ・コンプレッサ・電磁石・PFC電源などは起動時に定常の数倍の電流を要求します。インバータ側が保護動作に入り出力低下→機器リセット→再起動…のループに陥ると、現場は不安定化。負荷分割・順次投入・定格余裕で破綻を避けます。

施設に“持ち込むなら”電源設計:可搬型大容量UPS『パーソナルエナジー・ポータブル』

  • 方式:常時インバータ給電方式。“無瞬停”と波形品質を担保。
  • 電池非リチウム(AGM)で発火の危険性を排除。運転中に保守が可能なホットスワップ保守で運用停止を最小化。
  • 自由設計:合計kW×必要時間×係数(目安1.7)で即見積。負荷分割+順次投入で突入を制御。
  • 拡張性:本体0.612kWh+増設1.02kWh×最大49 ≒ 約50kWhまで拡張可能。
  • 対象負荷:通信網(ONU/ルータ/PoE)、ナースコール、入退室、サーバ/NAS、監視・通報、医療用周辺機器 等。

「じゃあポータブル電源はどれがいいの?」──家庭・携行なら固体電池系を推奨

医療・福祉の施設用途ではポータブル電源自体を推奨しません。一方で、家庭・個人の携行用途やであれば、可燃性液体電解質を使わない固体電池系を比較候補に。推奨製品:固体電池ポータブル電源「YOSHINO」

※ 施設用途は(大容量UPS×非リチウム)を推奨。YOSHINOはあくまで 家庭・個人・携行など“ポータブル電源で足りる”場面の比較候補です。 固体電池でも絶対安全ではありません。メーカー仕様・温度範囲・正弦波出力・ 保護回路・PSE適合を確認してください。

施設導入チェックリスト(保存版)

  • 用途の線引き施設=大容量UPS×非リチウム家庭携行=固体電池系ポータブル電源を比較
  • 負荷定義:重要負荷をカウント(通信/ナースコール/入退室/サーバ等)。同時起動の有無を明確に。
  • 定格算定:合計kW×必要時間×係数(目安1.7)。突入対策として負荷分割・順次投入を前提化。
  • 設置・避難:離隔・防火区画・避難動線・掲示・訓練をBCPに組み込む。
  • 運用:点検周期・バッテリー交換・模擬停電訓練・ログ化。

参考資料(通常リンク)

株式会社Reの想い

子供たちのために-次の世代へ、胸を張って渡せるエネルギーを。私たちは「事業の“予定通り”を守る電源」を通じて、施設の安心と地域の安心を同時に高め、未来へ橋渡しをします。設備投資で〈不安〉を〈安心〉へ。最短の近道は、正しい電源の選定から。

よくある質問

Q. 施設で市販のポータブル電源を使っても良いですか?

A. 当社方針では推奨しません。火災リスクと瞬停・突入電流の観点から、常時インバータ大容量UPS×非リチウムを前提に設計します。

Q. どのくらいの容量が必要?

A. 重要負荷の合計kW×必要時間×係数(目安1.7)で試算し、同時起動の有無を反映して選定します。

Q. 相談の流れは?

A. 現況ヒアリング→重要負荷の定義→概算試算→現地下見→提案の順で進めます。お気軽にお問い合わせください。

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