トークライブ書き起こしvol.7 粟田隆央④『オフグリッドを切り拓いてきたからこそわかる事』

2018.05.22 ライブ書き起こし 管理人

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電力自由化に関しては、日本は世界最大のマーケット

で、その自由化をする意味なんですけど、何で外圧、特にアメリカが日本の市場を自由化しろと強く言っているのかというと理由がありまして、これ、アメリカはじゃあ自由化しているのかというと、50州あるうちの自由化しているのはたった14州だけです。

PJMと言ってペンシルベニア州、ニュージャージー州、メリーランド州の3州の電気の需要量と日本全国の電気の需要量とほぼイコールなんですけど、先だって米国大使館の総務省というのがやたら日本の電力自由化に熱心でして、何でそんなに熱心なのかな?と講演を聞きにいったところすごく謎が解けたんですが、しきりにそのアメリカの偉い人が言っているのが日本の電力市場は世界最大だと。ピンと来ないと思うんですよ。

日本という国は実は結構デカくて、例えばドイツ、自然エネルギーが何だかんだと言ってよく言うじゃないですか。どんだけ立派なことをやってんだと。実はそんな大したことなくて、ドイツ全土の電気の需要量、使用量は東京電力の使用量とほぼ一緒なんですよ。

規模で比べたらどう思われます?東京とドイツが一緒なんですよ。で、スペインの電気の使用量と東北電力の使用量はほぼ一緒。ということは、そういうのが北海道から沖縄まで10電力あるわけで、これは1も2もなく自由化に関していうと世界最大のマーケットが日本です。

で平たく言うと、世界最大のマーケットで儲けすぎている電力会社から横取りしましょうというのが今回の電力自由化の本質だと私は思います。

まあ結局私たちの電気料金が海外に流れていくというのがわかりやすい例えだと思うんですが、自由化の人たちは当然安い電気を仕入れて高く売って利ザヤで儲けましょうということになるわけで、じゃあその安い電気をどこから仕入れるのかというのを間違いなく原子力発電しかありません。

原発再稼働、増える停電、電気代の高騰

今止まっている原発は、たぶん2年以内に全部動くことになると思います。結局だから電力自由化で、2020年の発送電分離をしたことによって、原子力が再稼働するという皮肉なことになります。で、自由化の結果、メリット何があるか。いろいろ考えたんですけど、無いです。全く無いです。

デメリットは何か。電気料金間違いなく上がります。一瞬下がるんですけど、この2年ぐらいは下がるんですけど、2年目以降を先程言ったこのトラップ、2018年と書いてましたけど、経済産業省にやっぱりものすごく考えている賢い人たちいっぱいいて、イギリスとかアメリカで電力自由化で失敗しているので、そのトレンドを見ていますから、電気料金の方向を1.3倍から1.4倍に絶対上がります。

まあだから今はパーソナルエナジー高いんですけど、2年経つと安いと思うかもしれません。その自由化のデメリット、一番のデメリット何かって言うと、当然電気仕入れて小売りで売る訳なんですが、中にはですね、仕入値が高い電気料金が払えないという電力会社が出てきています。

実際これはアメリカでも起こってまして、2000年にカリフォルニア大停電が起こるんですけど。その引き金にいたのがPG&Eっていう会社が、そのガスの価格が上がったことで電気料金が払えなくなって発送電が止まるっていう大停電を引き起こしました。

翌々の2003年ですけど、これ面白いですけど「失敗知識データベース」というサイトがあって、これも帰って調べてもらうと面白いと思いますが、ここにニューヨーク大停電のことが詳しく書いています。あえて説明しませんけど、これも電力自由化が原因になって起こった事件というか事故です。で、私もずっと言ってるんですけども、自由化した2年後、2018年の段階で恐らく東京が大停電する。

グリッド自体が、今もう電柱のぼる人達、技術持ってる人しか登れないんですけど、高齢化になっていましてお爺ちゃんしかいないんです。若い人がいないんで、どんどんインフラを維持するエンジニアが減ってく中で、その安売り競争をする訳でして、安売り競争する大きなところでたぶん電気料金払えないっていうところが出てくる。

おそらくそのフェイル・セーフが働いて電気を止めるっていうことは無いんですが、ややもすれば、それが引き金になってシステムトラブルを起こすということはずっと言われていますんで、間違いなくこの2年くらいで電気の質や停電の回数ってのは増えます。

今、電力の自由化で自然エネルギーがいっぱいだよとか、市民電力はどうだよ~ってバカなことばっか言ってますけど、結局のところ仕入れてですね、売らないといけなくて、あんたたち電気作ってないでしょ?あんたたち電気送ってないでしょ?という人たちがピンハネする商売が電力事業なので、そのピンハネする商売の人たちに乗っかってお金を払うのはいいか、節電をしてですね、ともかく税金として電気料金を払いたくないと。できるだけ電気料金を払わないという方向になるのが自然なんじゃないかという風に思います。

選択肢としてオフグリッド

その一つの選択肢としてオフグリッドってのはあります。現状私どもの装置ものすごく高いですが、心配しないでください。安く感じるようになりますから、とずっと言っています。これは理由が2つあります。

さっき言ったですね、電気料金が高くなる。ほんともうドイツ並みにはなるでしょう。1kWhあたりの単価40円位になると思います。40円になると、今、月1万円電気料金払ってる人は2万円になるわけで、年間12万円。10年120万円損するわけですね。

プラス、今からインフレになりますから、貨幣の価値っていうのはどんどん下がります。今マイナス金利になってますけど、今1万円の値打ちはたぶん5年たったら8000円とか7000円とかという貨幣価値にしかならん状態になると思います。

そうすると、電気料金が上がった分と貨幣価値が下がった分でパーソナルエナジーは勝手に値引きになります。今じゃないんですけど、5年先にあの時買っておけばよかったなと思う時代がきっと来ます。そういう風に勝手に思ってる。

で、このあと電力の自由化で2年ぐらい混乱をしてどうのという話になるんですけど、実はですね、また来年の春から、ガスの全面自由化というのが始まります。これは電力自由化よりもインパクトがありまして、全国に大体2万社ぐらい、ガス会社ってのがあるそうです。

ほとんどプロパンガス屋さんなんですけど、地域独占をいいことに、たぶん皆さんの地方でもプロパン、結構高い料金取ってますよね。これが越境販売できるようになって安売りすることができるようになります。ここの一番のプレイヤーっていうのが、実がガスを売るのが、電力会社がガスを売ります。

ガス&パワーの時代へ

ガス&パワーっていうのが世界中当たり前なんですけど、ガス会社と電力会社が別れているのは日本だけで、今後日本もガス&パワーというカタチになります。そうすると全国で、ガス・電気合戦というのが始まって、電気とガスいっぱい使った人ほどやすくなりますよってバカな話が、どんどんまかり通るようになります。

で、結果としてそれは良いことなのかというと、そうではなくて。安売り競争の結果どうなるかというと最終的に相場が上がって値上がりします。ものすごい高騰します。そのときに結局困るのは、安売りを選んだ私たちということになってですね。

インフラからエネルギーを買わざるを得ないという、まあ言ったら懲役刑みたいなものだと私は思っているんですけれど。その懲役刑を免れるためにオフグリッドしましょうよ、という風にずっと言っています。

ただし、パーソナルエナジーは今後安くする予定は全くしていません。値上がりすることがあっても、値下がりすることはございません。

その価値に対してなんですけれど、私どもはこの装置を1万台売ってどうのという風に思ってなくて、一つの選択肢としてある解という位置づけでやってますので、個人向けのパーソナルエナジーを安くするという予定は全くございません。

5年間で原発一基分の電力を自給させる

その代わりって言ったらなんですけど、パーソナルエナジーは実は産業用を販売開始しておりまして、おかげ様で受注好調なんですが、電力の大口契約の皆さんに対してオフグリッドを勧めています。完全なオフグリッドではなくて、一部をグリッドから切り離すということでもって5年間で原発一基分の電力を自給させようというプロジェクトをやっています。

これは私個人の本業の中でも貢献しますし、社会的な意味もあるのかなという風なことで、会社上げてです。珍しくうちのスタッフも文句言わずに「やろうやろう」ということで協力して開発してもらっています。

で、現在たぶん日本で出力100kW、200kWのオフグリッドシステムを構築できるのは私たちだけなので、先駆してですね、できるだけ多くの皆さんに商業施設が多いんですけども、オフグリッド化を進めて行くという事、今一所懸命やっています。

これによって実際お客様のメリットも非常に大きくて、今喜んでいただいてるのは月150万円電気代を払っているお客さんがですね、私たちのシステムを入れたことによって月70万円になりました。なんと80万円も月の電気料金が下がりました。

「お宅の装置えらい高いんだけれども、まあ10年経たずに元が取れるな」と言う風に言っていただいております。ものすごくそれはほんとに意味があると思っていて、電力会社さんが供給すべき電力が実際減っているわけですね。

お客さんは生産財を持っているわけですから、万が一の場合でも、最低限での電力の供給ができますし、長期に渡ってキャッシュアウト、そのお金が出ていると言うことを防ぐことができる、ということで、個人の家より企業さんの方が結構その辺リアルに考えていただけているみたいです。

生産者になるという価値転換

で、今後、まあ優さんとも3年くらいお付き合いをしていまして、パーソナルエナジーもご自宅に入れて頂いていてやっぱり思うのは、みんなそろそろ会社勤めもやめてですね、会社なんかもうやめちまって、自分で色んな職業を持って組織にもグリッドに属さない生き方と、消費じゃない生産をしていくと。

生産者になるという価値転換をしていくことで生き残っていけるんじゃないかなと思います。このままいっちゃうと、もう完全に金融の奴隷になるのはもう目に見えているので、1人でも多くの方がおかしいなというところに気が付いて頂いて、安い電気を買うんじゃなくて高い電気だけど作ってみようかと、別にフルシステムを入れる必要はないと思うんですね。一部でもいいと思うんです。

一部でもいいからグリッドから離脱するという考え方でもって始められてはいかがかなという風に思っております。

以上でございます。ありがとうございます。

 

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